無視、執拗なダメ出し、「マイクを草むらに隠されたこともありました」 「国民民主党」パワハラ騒動 被害を訴えた女性市議の告白

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 今、国政政党で最も勢いがある政党と言えば、多くが国民民主党の名を挙げるのではないだろうか。「手取りをあげる」をモットーに、昨秋の総選挙で議席を7から28と4倍に増やした。直後、玉木雄一郎代表による不倫スキャンダルはあったものの、政党支持率は伸長傾向で、来る参院選でも躍進が確実視されている。しかし組織が拡大する反面、足元には綻びも見えはじめてきた。同党の千葉県連で、現職の浦安市議が、岡野純子代議士(千葉5区)らから「パワハラ」「いじめ」を受けたと訴え、その影響で離党。さらに3人の議員も党を離れる騒ぎとなっているのだ。当の浦安市議にインタビューし、その主張を聞いた。
【前後編の前編】

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 この騒動は既に地元紙はじめ複数の報道機関が報じ、党本部がハラスメント対策委員会と倫理委員会の合同チームを立ち上げ、調査することも決まっている。その結果に注目だが、これまで訴えられた被害の詳細がまとまって語られたことはない。

 被害を訴えているのは、浦安市議会議員の工藤由紀子氏(47)。工藤氏は2023年4月の市議会議員選挙に国民民主党から出馬し、当選したものの、昨年6月に離党届を提出している。本人がそこに至るまでの経緯を語る。

「市議選当時、私は専業主婦。小学生だった息子と娘、2人の子を育てていました。出馬することになったのは、岡野さんに熱心に誘われたから。岡野さんとはある会合で知り合いましたが、仲良くなったのは娘同士が同じ習い事をするようになってからです。岡野さんが家を買いたいと言ったので、うちのマンションを薦めたら彼女は購入。同じマンションのママ友になったこともあり、急速に仲が深まっていきました」

 岡野代議士は、元NHKのアナウンサー。2011年に民主党から浦安市議に当選し、2期務める。その後、市長選や「希望の党」から衆院選に立候補したが、落選。当時は3期目の浦安市議を務めていた。現在46歳である。

協力を得られず

「2022年の末に岡野さんから出馬を薦められたんです。市議を辞職し、翌年4月の衆院千葉5区の補選に国民民主党から立候補することを決めた。ついては、同じ日程で行われる市議選に、自分の後継として出てくれないか、と。それまでのお付き合いの中で、私は岡野さんに身近な暮らしで気になることなどを伝え、それを彼女が議会に提案してくれることもありました。で、“あなたには素質がある”と言われて。確かに岡野さんが国政に行ったら、そうした要望を市政で実現してくれる人がいなくなるのではないかと思い、ずいぶん悩みましたが、お受けすることにしたんです」

 選挙に出るに当たっては当然、不安もあった。

「一般の主婦でしたので、この世界のことはまったくわからない。ノボリを作るにしても、どのようなものをいつ、どこに発注すれば良いのか、ポスターや名刺の写真をどこで撮れば良いのかもわかりません。でも、岡野さんから“一緒に頑張りましょう”と言われて、出馬を決意したんです」

 が、実際に選挙戦が始まってみると、

「彼女からはほとんど何の指導もない。“自分でやって”とほぼ1人にされました。聞いても“忙しい”“自分で調べて”“立候補するのはあなたでしょ”と、協力もほとんど得られなかった」

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