「石破さんは日米交渉で“誰と話していいか分からない”と…」玉木雄一郎氏が明かす 一方、トランプ関税で「はしゃいでいる自民幹部」の名前とは
【全2回(前編/後編)の前編】
トランプ米大統領(78)の相互関税策により、日本の政界にも激震が走った。トランプ大統領はその後、「相互関税」の措置を90日間停止すると発表したものの、今後の展開次第では、自動車産業をはじめ、日本経済が大打撃を受けるのは間違いない。だが、肝心の石破茂首相(68)はこの間、無為無策で、ただため息をつくばかり。事態打開のためには、“あの人物”に動いてもらうほかないとの声まで飛び出して――。
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米国ワシントンD.C.、ホワイトハウス西翼に接する庭園「ローズガーデン」は東翼側の「ジャクリーン・ケネディ・ガーデン」と対をなし、テニスコート3面分の広さを有する。春から初夏にかけてバラが咲き誇るこの庭は、歴史的な式典などに利用されてきた格式高い場所として知られる。過去には昭和天皇や英国のエリザベス女王をもてなす晩餐会が開かれたこともある。
だが、4月2日(日本時間3日)、肌寒さを感じる曇り空の下、その芝生の広場に居並んだのは、ヘルメットや安全ベストを着用した男女たちだった。トランプ大統領は彼らに向かって高らかにこう宣言した。
「4月2日は米国産業が再生し、再び豊かになり始めた日として永遠に記憶されるだろう。われわれの経済的な独立宣言だ」
“シンゾー、貿易について何とかしなければならない”
彼ら――全米自動車労働組合(UAW)や全米鉄鋼労働組合(USW)の組合員たちから拍手喝采を浴びて、満足げな表情を浮かべながら、トランプ氏が掲げたのが「相互関税」と銘打たれた一枚のボードだ。氏は中国が米国に67%の関税を課していると主張。それゆえ中国に34%の相互関税を課すとしたほか、EUに20%、ベトナムに46%、台湾にも32%の相互関税を課すと述べた上で、日本に関しては以下のように話したのである。
「日本は非常にタフで、国民も素晴らしい人々だ。私は彼らを責めない。私は、大統領執務室に座っていた人々を責める。日本の関税は46%だ。車のような特定のアイテムではさらに高くなるのだ」
その上で、日本に対して24%の相互関税を課すと通告したのだった。さらには、
「(安倍晋三元首相は)素晴らしい人物だった。残念ながら彼は暗殺されてしまったが、私は彼にこう言ったんだ。“シンゾー、貿易について何とかしなければならない。今の状況は公平ではない”と。彼は“分かっている”と答えた」
とも述べた。まるで安倍元首相なら、今回の強硬な措置にも理解を示してくれる、と言わんばかりだ。だが、石破首相にはまさに青天のへきれきにほかならなかった。
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