神戸山口組の井上組長の自宅が「要塞化」 地元からのクレームの声が徐々に

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ピリピリせざるを得ない状況

 6代目山口組による一方的な「抗争終結宣言」が出されたことで、動向に注目が集まっているのが神戸山口組だ。その神戸山口組の井上邦雄組長の神戸市内にある自宅は、これまで何度も6代目山口組側からターゲットとされてきたわけだが、最近になって邸宅に工事が入りそうだという。「抗争終結」という言葉が醸し出す和平ムードとは裏腹の物々しい構えに、一部では「要塞化なのか?」との指摘もあるほど。地域住民からは「さすがに物騒だ」との声が上がり、排斥運動が起こる可能性すらあるという。なぜこのタイミングでの工事なのか。何に神経を尖らせているのか。

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 井上組長がピリピリするのも無理のない話ではある。

 毎年1度と言うのは大げさにしても、井上組長の自宅はこれまで何度もターゲットとされてきた。

侵入まで許してしまった

 2022年6月、野内組(6代目山口組の3次団体)若頭の舎弟が自宅の門あたりに拳銃17発を乱射。

 2023年6月、2代目篠原会(6代目山口組の3次団体)の幹部が自宅にガソリンをまいた(放火予備などの罪で起訴)。

 今年1月、8代目霊岸島桝屋服部会(6代目山口組の3次団体)の元組長が邸宅の外壁をよじ登って侵入し、ガソリンをまいて火をつけてクルマに燃え移らせるなどし、建造物等以外放火や銃刀法違反罪などで起訴された。

 これだけ襲撃を受ければ防御を固めたいというのは当然だろう。

「捜査関係者によると、今年1月の放火と侵入を許したことで工事が必要になったとの見方を示していました」

 と、担当記者。自宅の修繕も兼ねて工事を進めつつあるものの、周辺住民からは「要塞化」との指摘を受けかねないようだ。自宅が堅牢になることで井上家の安全度は高まるが、周辺にはむしろ物々しさが増す、ということだろう。

「“放火はともかく侵入まで許してしまった”との思いが井上組長にあり、増改築を進めているようですが、周辺住民にはなかなか意図が伝わらないのかもしれません」(同)
現時点では住民が井上組長側に何らかの陳情などをする段階にまでは至っていないという。しかしかつてと異なり、地域住民が暴力団事務所に対して訴訟を起こすこともそう珍しくはなくなっている。それだけに住民とのいさかいは避けたいところ。同業者とカタギ、双方に対してピリピリせざるを得ないのである。

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