「まるで紙芝居…」外国人も絶句 フジ「サン!シャイン」に漂う「昭和感」と「めくり芸」の限界
朝の新番組
この春の番組改編で話題となったのがフジテレビ系「サン!シャイン」(月~金曜午前8時14分)。中居氏問題で同局が揺れに揺れている中でのスタートに、どんな内容になるのか注目を集めていた。
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だが、ふたを開けたら新機軸どころか、懐古趣味的な“フリップ芸”のオンパレードで、裏番組のテレビ朝日系「モーニングショー」に登場する「羽鳥パネル」にそっくりなのだ。しかも、スタジオセットの2階部分に超巨大パネルを所狭しと並べており、画面は文字の洪水状態になっている。
日本の情報番組にほぼ共通するスタイルであることは分かるが、海外からの旅行客は宿泊先の部屋でテレビを見て「まるで紙芝居みたい」とデジタル逆行に驚くばかり。
海外のテレビ事情に詳しい放送ライターがこう話す。
「外国人から紙芝居と思われているのは、“めくりフリップ”と呼ばれている手法です。パネル(フリップ)ボードやフリップの文字を特注の粘着紙で隠し、その後、手でめくって事件の経過や識者コメント、クイズの種明かしをするわけです。
紙をはがす際、効果音がよく使われるので、まるで紙芝居を見ている感覚になるのでしょう。パソコンでデザインをした画像をプリントアウトして、めくりフリップを作るというのも二度手間ですし、フリップ用の粘着紙は50センチ×60センチで1枚500円ほど。ごみを増やしているという批判もあります。
海外ではクイズ番組で見かけることがありますが、欧米やアジア各国のテレビ番組はデジタル化が進んでいるので、コンピューターグラフィクス処理された映像がほとんど。文字の洪水のような日本の情報番組は、世界標準から見れば特異な演出と言えるかもしれません」
こうしたアナログ手法は「サン!シャイン」でもそのまま踏襲されている。3月31日放送の初回ではミャンマー大地震にからめて、「地震があまり起きない国で遭遇した場合」というお題で「高級ホテル・高層ビルなど」「空港内にいた場合」の部分に粘着紙を張り付けていた。
酒主義久アナウンサーが粘着紙をめくると「♪ポロロロン~」のような効果音が鳴り、「室内にとどまる」「壁際に避難」の文字が現れた。その後も画面奥に「ニュースのKEYボード」と題した超巨大パネルが出現し、「4月に家の中で火災の原因になりやすいものトップ3」をめくりフリップで解説した。
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