株価大暴落でもテスラは「まだ大丈夫」? 反感買うマスク氏の裏で注目すべき5つの安心材料
テスラの株価変動が激しい。昨年末に400ドルを超えていた株価は、一時220ドル付近まで売り込まれ、先週金曜日の終値で252ドルとなっている。もしも400ドルで“高値キャッチ”をした人がいたとすれば、円高傾向も相まって評価損益は「-50%」を超えていることになる。テスラ株はもう終わりなのか。マネックス証券の岡元兵八郎氏が最新情報を元に解説する。
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イーロン・マスクへの風当たりの強さ
2025年、米国株式市場で最も注目を集めている企業の一つがテスラです。ただ、テスラが注目されている理由は必ずしもポジティブなものとは言えませんでした。昨年11月5 日の米大統領選挙から12月18日までの間、94%も値上がりしたテスラ株ですが、その後3月11日までに56%と大きく値下がりすることとなったのです。
きっかけは、ドナルド・トランプ大統領の再選です。テスラCEOのイーロン・マスク氏はトランプ大統領の勝利が確定すると、トランプ氏のアドバイザー的な役割を務めることになりました。
マスク氏は、新政権下で新たに設立された「政府効率省(通称DOGE)」という官庁のトップとなり、近年の米国歴史上、類を見ない大規模な米連邦職員のレイオフ、いわば国家規模のリストラを進めます。
このマスク氏の強烈な成果主義は、私たち日本人に限らず、米国内でも「強引すぎる」との反感を買い、テスラに対する反感を持つ国民が現れたのです。結果的にそれがテスラという企業自体の評価を下げる一因となってしまいました。
また、欧州における極右政党への支持を表明したことも、テスラに対し大規模な抗議運動や消費者によるボイコットを加速させました。
タイミングが悪いことに、同社の欧州や中国での販売が市場予想を下回ったことと、関税引き上げリスクの顕在化が重なり、テスラ株は大きく値を下げたのです。
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