「F1でホンダが強くなると、運営する欧米勢がルールを変えて…」 元ホンダ副社長が語る、日本の自動車産業“試練”の歴史

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「“試練”に日本は慣れている」

「続いて冷戦後の2000年ごろには、これとは逆にマーケットが地球規模で一つになります。最も安い所で作って最も儲かる所で売るという『グローバリゼーション』です。これも20年ほど続きました。そして現在では、世界で最も大きな資源とマーケットを持つ米・中・ロが、それぞれ自国ファーストを打ち出し、ブロック経済化が進んできました」(入交氏)

 おおむね20年おきに生じるこうした変化に対し、

「日本はそのたび順応してきました。現在の日本は北米ブロックについているのだから、米国のルールに合わせながら工夫してやっていくしかありません。F1やオートバイのMotoGPでも同じ経験をしました。われわれホンダが強くなると、運営する欧米勢がルールを変えてくる。それでもわれわれが勝つと、またルールが変わって……。こういう“試練”に日本は慣れているはずです」

“トランプ禍”もまた、乗り越えられるというのだ。

 後編【「米国からすれば、日本はワンオブゼム」 トランプ関税を招いた政府の失策 「安全保障を人質に取られ、交渉相手としては極めて面倒」】では、これまでの日本政府の失策と今後の展開について詳しく報じる。

週刊新潮 2025年4月10日号掲載

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