「伊藤沙莉」所属事務所が「代表取締役3名」体制に 急死した“カリスマ創業者”の異例の「遺言」

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 俳優の豊川悦司(63)や萩原聖人(53)、伊藤沙莉(30)らが所属する芸能事務所「アルファエージェンシー」が新体制を発表した。2月11日に創業者である万代博実氏が享年74歳で亡くなったため、今後は代表取締役3名が共同代表を務めるという。船頭多くして……なんて言葉もあるが。

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 アルファエージェンシーは公式ホームページに以下の「お知らせ」を掲載した。

《去る3月30日、弊社代表万代博実の四十九日法要を滞りなく終えることができましたことをご報告させていただきます。改めまして生前故人に賜りましたご厚情に対し厚く御礼申し上げます。/弊社の今後の体制につきましては万代の生前の遺志を尊重し、代表取締役三名による共同代表という形態で進めることとなりました。(中略)甚だ未熟ではございますが、全スタッフ一丸となり、今まで万代と所属俳優と共に築き上げて来た信頼と出会いを大切に、これまで以上に努力を重ねてゆく所存でございます。/今後とも変わらぬご支援、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。》

 葬儀と共に済ませてしまうことが少なくない四十九日法要の報告も珍しいが、社長を置かずに代表取締役3人体制というのも珍しい。業界関係者は言う。

「会社法には社長の規定はありませんし、複数名の代表取締役を置くことも法律上は全く問題ないそうです。なんでも、万代社長が亡くなる数週間前にチーフマネージャーの3人を呼び出して『君たち3人が共同代表みたいな形で事務所を盛り上げていってほしい』と遺言のように伝えていたそうです」

カリスマ社長の死

 近年、創業者が死去した芸能プロダクションで思い出すのが、2018年に62歳で亡くなった小笠原明男氏が社長を務めたA-teamだ。デイリー新潮は24年4月9日配信の「あまりに大きすぎた吉岡里帆“恩人の死”…休業『A-Team』、伊藤英明ら有名タレントが次々離脱の窮地」で、カリスマ社長がいなくなったことで所属タレントが次々と移籍し、とうとう事務所が休業を発表したことを報じた。

「万代さんも小笠原さんと同じくカリスマ社長でした。アルファエージェンシーは1976年に名優・森雅之の娘である中島葵さんの個人事務所としてスタートしました。中島さんは1991年に45歳という若さで亡くなりましたが、万代さんを慕って『帰ってきたウルトラマン』の団時朗さんや大映ニューフェイスの江波杏子さんなど多くの俳優が所属しました。いまも豊川悦司はじめ萩原聖人、伊藤沙莉、余貴美子(68)、柄本佑(38)などなど実力者揃いです」

 一から育てたのは萩原聖人だという。

「ブロードウェイで舞台を観たのをきっかけに俳優を志した萩原は、テレビスタッフから誘われて『あぶない刑事』(日本テレビ)の置き引き少年役で俳優デビュー。それを見た万代さんが、初めて俳優として育ててみたいと思って事務所に誘ったそうです。順調に人気を得ていったのですが、1993年、萩原から暴行を受けたという男性が現れ、総額430万円の損害賠償を求められる裁判を起こされました。当初から彼は無関係と主張していましたが、アリバイを証明してくれる人を庇ったため97年の一審では敗訴。マスコミも彼を攻める報道をする中、万代さんは『不当な判決を受け、はらわたが煮えくりかえる気持ちです』と声明を発表しました。結局、二審では『萩原を犯人と断定できない』として逆転勝訴、最高裁でも原告の訴えが棄却されて99年に萩原の無実が確定しました」

 萩原は1995年に和久井映見(54)と結婚するが、2003年に離婚している。

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