「発注を取り消されるのが怖い」「ウチのような下請けは…」 トランプ関税に企業城下町から悲鳴 

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「発注を取り消されるのが怖い」

 企業城下町で働く人々は、トランプ関税に何を思うのか。実際に群馬県太田市へ足を運ぶと、状況を憂える様子がうかがえるのだった。

 北関東随一の工業製品出荷額を誇る同市には、スバルの群馬製作所がそびえる。本工場の所在地の町名が「スバル町」に変更されたほど、スバルとの結び付きは強い。

 市内で金属製品製造業を営む男性が言う。

「弊社はスバルとの仕事が全体の9割を超えているので、対策を考えていかなきゃいけない。関税で工場の生産台数が落ちるのは間違いない。ウチの部品はアメリカで売る車にも使われていますからダイレクトに影響を受けます。すでに夏まで納品が決まっている部品が、トランプさんの影響で発注を取り消される可能性があります。それが怖いですね」

「アメリカに移っても、ウチあたりの下請けには声がかからない」

 スバルの2次下請けを担う金属加工業の会社社長は、

「追加関税なんて発動されないといいなと思っていたけど、現実は甘くなかった。だってアメリカファーストでしょ。まぁトランプさんの任期は4年だし、年齢も年齢だからね。でも楽観視する声はないよ。少なくとも僕は楽観視していない。ウチだけじゃなくて太田市全体に影響が出ると思う。スバルがアメリカに移ったとしても、ウチあたりの下請けには声がかからないでしょう。来いと言われても誰を連れて行くのかって話になります。今は関税が続く最悪の状況に備えないといけません」

 太田商工会議所中小企業相談所の担当者に聞くと、

「太田の場合、スバルさんが主な納品先という企業が多いので、一番心配されているのは減産で納品する量が減ってしまうのではないかということ。下請け企業のみならず、スバルの工場で働く従業員さんたちの報酬が減れば、使うお金も減って市内の消費額が下がってしまうのも心配です」

 日本の自動車産業と共に栄えてきた企業城下町が、外敵に脅かされつつある。
 
 前編【「400万円の車は100万円以上高くなる」 トランプ関税の大打撃 最も影響を受けるのは「スバルとマツダ」という理由】では、トランプ関税による大打撃を受ける自動車産業について、影響を受ける企業、逆に影響の少ない企業について紹介している。

週刊新潮 2025年4月10日号掲載

特集「自動車業界に激震 悪魔のトランプ25%関税 5つの急所」より

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