石破首相が「またあきらめた」 麻生元首相が必死で止めた「談話発表」

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少なくとも参院選までは

 石破茂首相は少し前まで「戦後80年談話」を出すべく検討に入っていたことが報じられていた。しかし、各方面からの説得やアドバイスを受け、談話そのものを出すことは回避する方向のようだ。これを受けていわゆる「石破おろし」が大きなうねりとならず、少なくとも参院選の指揮を石破氏が執ることが見えてきたとの評もある。

 毎日新聞の2月28日配信記事によれば、

《石破茂首相は、戦後80年談話を出す検討に入った。2015年8月、当時の安倍晋三首相が戦後70年談話を出して以降、ロシアによるウクライナ侵攻などで国際情勢が変化していることを踏まえ、先の大戦を検証したうえで戦後の日本の平和国家としての歩みを改めて国内外に示す意義は小さくないと判断したとみられる。政府関係者が28日、明らかにした》とある。

「軍事オタク」だからというわけではないが、石破氏が先の大戦の検証に強い思いを抱いていたのは間違いない。

回避を働きかけるアドバイス

 日本が戦争に突入するまでの過程を検証した『昭和16年 夏の敗戦』(猪瀬直樹・著)は石破氏がしばしば取り上げる“愛読書”。先月の参議院予算委員会では著者の猪瀬氏を前に同書を絶賛する一幕も見られた。

 しかし1か月後、少々のトーンダウンが見られる、と3月27日配信の産経新聞は報じている。

《石破茂首相は戦後80年の首相談話を見送る方針を固めた。一方で、先の大戦の検証は行い、所感も公表する方向だ。「戦後レジームからの脱却には検証が必要」というのが首相の持論だからだ。だが、有識者は「いかなる形でも新たな検証は外交上のリスクとなりうる」と指摘する。「正しい判断だ。唯我独尊で談話を出しても孤立するだけだ」。自民閣僚経験者は見送りに安堵の表情を浮かべた。首相談話を巡り、首相は1月のシンポジウムで「いまを逃して、戦争を検証することはできないだろう」と発言。側近の間では談話発出を容認する意見もあったが、党内保守派が一斉に反発し、新たな火種となりかけていた。事態を重く見た一人が麻生太郎党最高顧問だった》

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