「自衛隊員は家畜と同じ」……現役隊員が嘆く自衛隊「廠舎」悲惨な実態 ベッドは劣化 シャワーは故障中で冷水を浴び【写真あり】

国内 社会

  • ブックマーク

廠舎の壊れたままのシャワー

「4日間の状況訓練を終えてクタクタで廠舎に戻ったのに、『風呂は入れない』と言われました。仕方なく洗面所で冷水を浴びました。シャワー室は故障中で、使えない。見るからに汚くて、何年も修理されてないんだろうなと思いました。シャワー室ひとつ修理できない理由を、国は説明すべきです」

 大野原廠舎のある大野原演習場のシャワー故障の張り紙の写真(写真〈2〉)とともにこの言葉が送られてきた。

 告発者が自衛隊側に知られると不利益を受けるおそれがあるため、資料にモザイク加工等が必要か確認したが、「このまま使ってほしい」との返答があった。

「私は最近思いました。自衛隊は家畜と同じです。泥まみれで風呂も入れず食事は残飯同様。シャワーも自由に浴びることができない。情けないです。ここまでやっても税金泥棒と言われることもあります。私の人生は何なのかなと考えさせられます」

 薄汚れたシャワー室(写真〈3〉〈4〉)の写真を送ってくれた現職隊員の心の叫びは自衛隊に届くのだろうか? 自衛隊を中途退職する人が増え続けている原因の一つがここにもあると確信している。生活改善はまだ道半ば。しかし、その動きには期待したい。

 ***

 防衛省に本件について見解を求めたところ、以下の回答が寄せられた。

「防衛省・自衛隊として、全ての自衛隊員が高い士気を維持し、自らの能力を十分に発揮できる環境を整えていくことは重要と考えており、廠舎は令和4年度までに3棟の整備を完了し、令和6年度は3棟の建替えに着手しており、引き続き、部隊の意見等を踏まえ廠舎の建替え等に取り組んでまいります。いずれにしましても、廠舎を含め自衛隊施設の老朽化対策や耐震化対策など、隊員の生活・勤務環境を改善する取組を進めています」

小笠原理恵(おがさわら・りえ)
国防ジャーナリスト。関西外国語大学卒業後、フリーライターとして自衛隊や安全保障問題を中心に活動。著書に『自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う』(扶桑社新書)、『こんなにひどい自衛隊生活』(飛鳥新社、2024年12月に上梓)がある。公益財団法人アパ日本再興財団主催・第十五回「真の近現代史観」懸賞論文で最優秀藤誠志賞を受賞。産経新聞にコラム「新聞に喝!」を執筆している。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 3 次へ

[3/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。