中居正広氏に「あらゆる選択肢」3時間会見をたった1人でこなした切れ者、フジ新社長 日枝派一掃の静かな“クーデター”
柔らかそうな物腰
元タレントの中居正広氏と元フジテレビ社員の女性アナウンサーとのトラブルをめぐる問題。フジテレビ第三者委員会が調査報告書を受けて、同局の清水賢治新社長(64)が改めて会見し「会社としての責任を痛感している」と陳謝した。清水新社長のもと、フジテレビはどのような船出となるのか。
***
【独占写真】「中居くん、やせた?」 変装姿で友人に会いに行く中居正広氏
会見についてベテラン放送記者がこう振り返る。
「第三者委員会の調査報告が出た後、清水社長は『大変厳しい指摘を受けた』と沈痛な表情で話し再発防止に向けた努力を約束しました。しかし、驚いたのはどんな質問にも感情的にならず、質問の主旨をまず確認・反芻してから丁寧に答える姿勢です。質問への回答不足を思い出すと司会を遮ってわざわざ答弁し直すところに人柄を感じさせました。しかも、それを3時間にわたってたった1人で行ったというのですから柔らかそうな物腰ながら実は肝が据わっているのでしょう」
第三者委員会の調査報告書は335ページにも及ぶ膨大なもので関係者への綿密な調査の結果であることを物語っている。
中身は辛辣で中居氏とフジの女性社員とのトラブルについて、編成幹部の関与を否定していた港浩一前社長の主張をひっくり返し、中居氏の出演番組を継続させたことについても「二次加害行為にあたる。対応は極めて杜撰」と認定。さらにフジテレビは「セクハラを中心とするハラスメントに寛容な企業体質」と断罪した。これにより日本の一流企業がスポンサーとしてフジにCM出稿を再開する日はさらに遠ざかった。
中居氏に対して、清水社長は会見で「あらゆる選択肢が検討に残っている」とし、刑事や民事で責任を追及することに含みを持たせた。
また、第三者委員会は中居氏から性被害を受けた女性社員の他に、3月27日付で取締役を退任した反町理氏(60)の女性社員に対する過去のセクハラとパワハラ行為を認定。同氏はキャスターを務めるBSフジの報道番組「プライムニュース」を急きょ降板する事態となった。フジテレビの名声は完全に地に落ちたが、これらは清水社長にはかえって好都合だという。
「第三者委員会の報告を受けた清水社長は『人権問題を見過ごすつもりはない。指摘されたハラスメント事案については必要な事実確認をしたうえで、速やかに関係者に対する厳正な処分を行う』と述べました。これは長年同局を支配してきた日枝久・取締役相談役の勢力を一掃する、と言っているのと同じこと。
中居氏と女性社員の食事会を設定した元編成部長についても清水社長は『けっこう問題が多かった社員だと認識している。事実関係を確認し厳正に処分するつもりです』と断言しました。社員のコンプライアンス違反認定とスポンサーのCM撤退継続によって、結果的に清水社長には港前社長や反町氏ら日枝一派を追い出す絶好の理由ができた訳です。まさに静かな“クーデター”が6月の株主総会に向けて始まると見ています」(前出の放送記者)
[1/2ページ]


