「バンちゃん、本当にありがとう!」 プロ野球選手から“視聴率男”になった「板東英二」に「長嶋茂雄」が送った“意外な”感謝の言葉

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「アイム・ベリ―・欲しい!」

 板東は著書の中で、徳光和夫(84)がカゼを引いたミスターに熱が何度か訊いたところ、「3割7分5厘」と答えた話や、オシャレなミスターがアメリカで街を歩いている時に好みのスーツを見つけ、「ディス・スーツ! アイ・アム・ベリー・欲しい! ハウマッチ?」と言ったところ、断られてしまったという話が出てくる。このオチは、その店がクリーニング屋だったというものだ。

 板東には、そんなミスターからの忘れられない言葉がある。プロ野球選手の第二の人生に関するものだ。俳優、タレントとして活躍している板東に、

「バンちゃん、プロ野球選手が引退してから就く職業を一つ新しく見つけてくれた。本当にありがとう」

 と、感謝されたという。

 ミスターは04年に脳梗塞で倒れたが、過酷なリハビリを続け、今も健在だ。当時、「これはリハビリじゃない。筋トレだよ」と語った。板東がその時に思い出したのは「人間は目標がなければ、いくら長生きしても意味がない」という、ミスターの言葉だったという。

 あとがきでこう書いた。

「『生前葬』なんて本を書いて、『いつまで生きる気や』なんていわれないように、これからも精進しますので、こんな板東と最期までお付き合いください。感謝、感謝」

 最後に、板東ならではのエピソード。「財布の中身」という連載にご登場いただいた。現金主義で財布を持たず、10年使っているというメッシュのポーチに現金をバサッと入れて持ち歩いていた。ポーチには73万円、ポケットなどの持ち合わせが7万8800円、合計は末広がりの8が多い80万8800円。

 ユニークなキャラ全開だった。

峯田淳/コラムニスト

デイリー新潮編集部

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