米国「女子ゴルフ人気凋落」を招いた“スロープレー”がついに厳罰化 過去には不可抗力で罰打を受けた「有名日本人選手」も

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事情があっても罰打を科された松山英樹

 今季、米LPGAには13名の日本人選手が挑んでいる。日本人選手のプレーは概して早めではあるが、予期せぬ出来事が起こったときほど要注意である。

 日本の男子選手のエース、松山英樹は2013年全英オープンでスロープレーによる1罰打を科された。松山の打球がギャラリーに当たり、彼はサインしたグローブを渡して謝るなど対応に追われた。それがきっかけで進行のペースが遅れ始め、結果的に「事情はなんであれ、スローはスローだ」と見なされた。

 言葉の壁、文化の壁、習慣の違いも存在しがちな世界の舞台においては、日本では「ありえない」と思うような見方や受け取り方をされることがあり、モノゴトが予期せぬ方向へ動いてしまうこともある。

 13名の日本人選手には、そのあたりの自覚を持ち、対策をしっかり取っていただき、スロープレー厳罰化の対象にならないことを祈りたい。

舩越園子(ふなこし・そのこ)
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。早稲田大学政治経済学部経済学科卒。1993年に渡米し、在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。『王者たちの素顔』(実業之日本社)、『ゴルフの森』(楓書店)、『才能は有限努力は無限 松山英樹の朴訥力』(東邦出版)など著書訳書多数。1995年以来のタイガー・ウッズ取材の集大成となる最新刊『TIGER WORDS タイガー・ウッズ 復活の言霊』(徳間書店)が好評発売中。

デイリー新潮編集部

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