「斎藤知事は即刻、辞任すべき」 橋下徹氏が断言 「告発者の職員や竹内前県議の自死は避けることができた」
「遵法意識が希薄だったことを示している」
橋下氏にとって、維新とは「大阪」維新の会であり、「その中でも源流・本流はいまでも大阪府議会である」と話す。
「しかし現実には、大阪府議会での維新政治を経験していない者たちが日本維新の会の幹部になって、永田町の価値観にどっぷりと漬かってしまった。組織とはトップ層の意識がメンバーに浸透します。その結果が、兵庫維新の会のいまの姿に現れていると思います」
さらに続けて、
「『NHKから国民を守る党』党首の立花孝志氏への情報漏えいを問われ処分を受けた維新の県議3人はその後、新しい会派を結成しました。彼らの行動についてはさまざまな意見がありますが、僕からすれば(立花氏への情報提供という)そんなセコいことをせずに、なぜ自分たちで堂々と情報を公表し、世間と闘わなかったのかとの思いが拭えない。特に誹謗中傷の類いの文書を立花氏に提供した岸口実氏の行為は重大問題で、彼一人の責任にとどまるものではありません。いまはやりのコンプライアンスそのものですが、岸口氏が取った行動は、維新という組織内において、ルールを守るという遵法意識が希薄だったことを示しているからです」
ノミニケーションの弊害
兵庫維新の遵法意識の欠如については、実は日本維新の会のトップ層の国会議員たちが元凶になっていると橋下氏は指摘する。
「あくまで私見となりますが、維新という組織の遵法意識の欠如、組織ガバナンスの欠如の背景の一つに(前代表の)馬場体制下で浸透した“ルールなきノミ(飲み)ニケーション”の文化が関係していると思います。僕もお酒の席でのコミュニケーションが人間関係をつくる機会になり得ることは否定しません。でもそこには一定のルールが必要ですし、加えて、そこから本当のリスペクトに基づく信頼関係は生まれないというのが持論です」
橋下氏が酒席での交流に過度の期待を抱かない裏には、「永田町で飲み食い文化に漬かった国会議員がどんな仕事をしてきたのかを見ると、意外にない。だから、僕はそのような政治を打破したくて維新をつくった」との思いがあるからだ。
「馬場さんはある種、自民党的な政治に憧れがある人ですから。でも“ノミニケーション”で生まれるのは、究極的には思想や理念でなく、妥協や折り合いの付け方です」
今国会における高校教育無償化策に関しての与党と維新の協議の仕方などは、その典型例に映る。
「維新は当初、パワハラ疑惑などで斎藤氏へのバッシングが高まっても“疑惑が認定されるまで不信任案は出さない”との方針でした。ところが昨年8月、大阪・箕面市長選で維新系現職首長が敗れるという結党以来初の事態に直面すると、維新はこれまでの主張を翻し、不信任案賛成に回るよう方針転換。僕には党の思想・理念・論理が定まっていなかったからこそ、変節してしまったと見えてしまう」
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