張本智和を倒した「17歳日本王者」が世界卓球・男子シングルスに出られない… 「なぜか今回から規定が変更された」

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“日本一”が日本代表になれないとはこれいかに?

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日本卓球界を背負って立つ逸材

 1月に行われた全日本卓球選手権男子シングルスで、17歳の松島輝空(そら)が初優勝を果たした。準決勝で当時世界ランキング3位の張本智和(21)、決勝でパリ五輪代表の篠塚大登(21)を倒しての堂々たる戴冠だった。

 実業団で全国優勝経験がある元卓球選手を両親に持つ松島は、2歳から卓球を始め、小学6年生で全日本選手権の高校2年生以下のクラスで準優勝し一躍注目を集めた。

 スポーツ紙記者が語る。

「キレのあるスマッシュや緻密な戦略に裏打ちされた攻撃スタイルで、同年代では他の追随を許しません。間違いなく今後の日本卓球界を背負って立つ逸材です」

 そんな松島だが、日本一の称号を手にしたにもかかわらず、5月にドーハで開催される世界卓球選手権の代表にはなれないという。

「ケガもなく、勢いに乗っている今こそ、世界の一流と戦う経験を積ませるべきなのに、もったいない」(同)

不可解な選考基準

 なぜ、かくも理不尽な決定が下されたのか。

「前回までは、全日本選手権優勝者が自動的に世界選手権に出場できました。それがなぜか今回から規定が変更されたのです」

 と解説するジャーナリストの青柳雄介氏によると、

「五輪出場者や世界ランキング上位者を優先的に選考することになっているのです。これでは、松島のように急成長を遂げた若手は選外になってしまいます」

 こうした不可解な選考基準は、昨夏のパリ五輪でも問題になっていた。

「過去2年の実績が重視される選考基準ゆえに、その年の全日本女子シングルスで準優勝を果たした張本美和(15)=当時=が3番手扱いになってしまい、個人戦に出られませんでした」(同)

 ただし、松島がドーハで全くプレーしないわけではない。男子ダブルスや混合ダブルスには出場見込みだ。

 せめてそちらで鬱憤(うっぷん)を晴らしてほしい。

週刊新潮 2025年3月13日号掲載

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