「銭形警部を降りてくれと言われた時は…」 妻が明かした俳優・声優「納谷悟朗」の“物凄く女の子にモテた”素顔と最期

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仕事の愚痴や悩みは口にしない人

 納谷は、銭形警部の声の仕事を一昨年までしていました。あのユーモラスなキャラクターを造形したのは、納谷。本人も、「これは俺のものだ」と考えていたようです。

 ですから、銭形警部を降りてくれと言われた時には、物凄いショックだったと思います。「これで終わりだ」と宣告されたようなものでした。ただ、彼は仕事の愚痴や悩みは絶対に口にしない人。降板した時にも、何も言いませんでしたが……。

 納谷は10年前から、間質性肺炎という持病を抱えていて、定期的に呼吸器内科のクリニックへ通院していました。それが昨年(2012年)10月、肺に水が溜まっていることが分かったのです。その時、お医者さんから水を抜いてもらいましたが、重い腎不全だと診断されました。

 腎不全って、あまり治療ができない病気なんですね。一旦、入院しましたが、その後は在宅介護でした。納谷も体調が悪くなる一方で、トイレや食事以外はずっと寝ている状態。どんどん弱って行くので、私も辛かったですね。

たまらず泣き喚いた

 容態が急変したのは、今年の3月に入ってからでした。3月3日の晩はとても苦しそうで、ベッドの上で七転八倒して眠れないほどだったのです。薬を飲んでも効かなかったみたいで、私も一晩中手を擦ったりしいました。

 翌日も苦しそうでしたが、薬を飲ませると夜の11時くらいにはウトウトしていました。私も寝不足でしたので、少し寝て3時に目が覚めると、それまで聞こえていた荒い息づかいが聞こえなくなっていたのです。手も顔も冷たくなり始めてて、息もしていませんでした。私はたまらず泣き喚いちゃって……。

 お骨は家に置いていて毎日話しかけています。私の骨と一緒に海へ散骨して欲しいんです。子供がいませんから、散骨してくれる人を見つけなきゃと思っているところなんですよ。

デイリー新潮編集部

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