「雅子さまと婚約」スクープを耳にされた瞬間のご表情は…ご学友だけが知る65歳「天皇陛下」秘話

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 2月23日、65歳のお誕生日を迎えられた天皇陛下。2020年の60歳、即位後初めてのお誕生日会見で陛下は、「多くの人々と触れ合い、直接話を聞く機会を大切にしていきたい」と述べられた。しかし、その年に始まった新型コロナウイルスの感染拡大で、そうした機会は失われた。

 即位後間もなく訪れたこの苦難の中でも、行事などでは「オンライン訪問」を続け、2021年、2022年の元旦に国民へのビデオメッセージを出されるなど、陛下は前向きな姿勢でコロナ禍に向き合われた。常に自然体で、周囲への感謝を忘れない――と評される、陛下のお人柄があったゆえであろう。そうした陛下の“素顔”を知るのが、打算なき青春時代を共にした学生の頃のご友人、「ご学友」である。

「週刊新潮」では2019年4月の即位直前、5人の同窓生に陛下の素顔を取材している。【前編】に続いて当時の記事を振り返り、令和の皇室の今後を考えてみよう。

【前編】では、陛下の小学校から大学時代までの証言を記した。【後編】では、ご学友たちに故・三笠宮寛仁殿下がおっしゃられた言葉、そして、雅子さまとの婚約スクープが報じられた瞬間の陛下のご表情などの秘話を記す。
【前後編の後編】
(「週刊新潮」2019年5月2・9日号記事の再配信です。即位前の記事に基づくため、記事中の敬称は平成のものです。すなわち文中の「皇太子殿下」は現・天皇陛下、「雅子妃殿下」は現・皇后陛下のことを差します。同じく文中の「天皇陛下」は現・上皇陛下、「皇后陛下」は現・上皇后陛下のことを差します)

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 校内を歩けば侍従や護衛官がぞろぞろ動く。厳重な警護体制を除けば他の学生と変わらぬ生活を送られたかに見える殿下だが、やはり自ずと異なる面も見られた。「ご学友」が口を揃えるのは、「帝王学」の体現だ。

 初等科から大学院まで同級生だった乃万暢敏(のまのぶとし)氏は言う。

「普段は一学生として過ごしていますが、公務では自然と相手に感謝の気持ちを述べたり褒め称えたり、二つのお顔をうまくスイッチされているんです。場面によって礼節を持って振る舞い、私たちのような友人に対しては付き合いの次元を変えていく。変幻自在にスイッチが出来る方でした」

 音楽部での2年後輩に当たる竹内尚子さんも言う。

「初めてお会いした時に思ったのは“世の中にこういう方がいらっしゃるんだ”ということ。いじわるな物言いをされたり、人の揚げ足をとられたりしたことが一切ない。どんな話をしても“うん、うん”と受け止めてくださいますし、人の話を忘れない。社交辞令も言わない方です。会話のキャッチボールで、殿下はすごく良いボールしか返しませんから、私まで良い人になれるんです」

 かつて殿下は、大学卒業に当たっての記者会見で花園天皇の「誡太子書(かいたいしのしょ)」に感銘を受けたと述べられているが、

「私もこの書を調べてみましたが、天皇が皇太子に向けて血筋だけでなく自分で学ばなければ上に立てないと述べている。殿下もこうしたお考えの下で努力されていたのだと思います」

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