“巨大スカウト集団”摘発で警視庁「生活安全部」と「組織犯罪対策部」がデッドヒート 別々の組織を分かれて追うワケ
暴対課が苦戦しているワケ
捜査はどちらが先行しているのか。
「今のところアクセスを受け持つ保安課の成果が圧倒的に目立っています。昨年11月にトップ、今年2月にはナンバー2などと次々と幹部を挙げている。一方、暴対課の方は1月末に関係先数十箇所を一斉捜索しましたが、いまだトップを捕まえられないなど攻めあぐねている。捜査情報が事前に漏れて逃亡を許したとも言われています」(同)
暴対課が苦戦しているのは、ナチュラル側が徹底した警察対策を講じてきたからだという。
「ナチュラルのトップは『木山兄弟』と呼ばれている2人の兄弟。警察を『ウイルス』と呼び、メンバー間でさえ本名を隠して源氏名を使わせたり、メンバー間のやり取りは自分たちで数千万円かけて開発した秘匿性の高いアプリを使うよう徹底させています」(同)
そのアプリには、万一警察に捕まった際の注意事項まで書かれているというから驚きだ。
「1、絶対に携帯の暗証番号を言わない、2、絶対に店の名前を言わない、3、絶対にフリーのスカウトと言う、を『ウイルス3箇条』として徹底させている。私服警察官の顔写真を隠し取ってアプリ内で共有までしています」(同)
関連記事【私服警察官の顔写真まで…反社組織「ナチュラル」が1500人のスカウトマン管理のため“数千万円かけて”独自開発した「秘密アプリ」】では、警視庁の内部資料をもとに、巨大スカウト集団「ナチュラル」の実態について詳報している。
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