横浜市に聞いてみた フジテレビの月9「119 エマージェンシーコール」から「撮影協力」を消した理由

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市長は「しっかりと注視」

 実は、この社員説明会の前日、横浜市の山中竹春市長は定例会見でこんな質問を受けていた。

記者:フジテレビと連携協定を結んで市の消防局が全面協力していると昨年発表がありました。タレントのトラブルをめぐってフジテレビが調査委員会を設置するなどの動きもありますが、市長の受け止めと、この件で何か今まで市として対応したことがあるのか、今後フジテレビに対応を求めたり、そのあたり市長のお考えをお聞かせください。

山中市長:その件については承知しておりますが、市として何か特段のアクションを起こしたということはございません。今さまざまな状況が推移していると、流動的だと思いますので、今後の状況をしっかりと注視していきたいというふうに思っています。

 注視した結果、クレジット削除という結論になったのか、果たして「119」は最終回まで放送できるのか――横浜市に聞いた。応対したのは横浜フィルムコミッションだ。

「『119』については横浜フィルムコミッションが撮影支援を行い、市議会のある市会棟が横浜市消防局の外観として使用されるとのことで横浜市会に協力を仰ぎ、同様に横浜市役所アトリムにも声がけをさせていただきました。あくまでも横浜市のPRになればとのことでしたが、今回の問題で『フジテレビに協力すべきでない』『制作費を出しているのか』といった声がありました。もちろん制作費などは出していませんが、そういった声がある以上、積極的な広報はしないほうがいいということでクレジットの削除要請をさせていただきました」

「あぶ刑事」は大歓迎

 削除要請はいつ行われたのだろう。

「1月21日です」

 となると、23日の社員説明会、その前日の市長会見よりも早いことになる。

「市長は撮影協力という内容でお答えしたのだと思います。撮影協力は今も続けているわけですから」

 ちなみに、本来23日に放送予定だった第3話は、フジのやり直し会見が10時間以上に及んだため延期となった。それが2月3日に放送されたわけだ。

 横浜フィルムコミッションは、横浜を舞台にしたさまざまなドラマや映画の撮影に協力してきた。新垣結衣主演で大ヒットした「逃げるは恥だが役に立つ」(TBS)や昨年公開された映画「帰ってきた あぶない刑事」などもそうだ。ダンディー鷹山(舘ひろし)とセクシー大下(柴田恭兵)が横浜狭しと暴れまわる「あぶ刑事」にクレームはなかったのだろうか。

「基本的にありません。よくよく精査すれば『街がうるさくなる』などの声もあったかもしれませんが、すごくポジティブな意見ばかりでした」

「119」のスタッフや出演者だって中居問題とは無関係だが、視聴者とは勝手なものだ。

「もちろん『119』にも『楽しみにしているドラマなので最後まで協力してあげて』という声もあるのですが……」

 では、消防局にはどんなクレームがあったのだろう。横浜市消防局の企画課に聞いた。

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