老いた親に「好きな人」ができたら…親孝行のチャンス? “恋バナ”と“メイクの助言”をすべきわけ
投資話が出たら要注意
ただ、注意点もあります。相手が必ずしもいい人とは限りません。寂しさや恋心につけ込むロマンス詐欺も横行しているので、投資を持ちかけられたとかお金の話が出たら、まず怪しむべき。相手とどこで出会ったかも、親に確認してください。マッチングアプリやSNSは詐欺の温床です。相手がどんな人か、子どもの目で確かめるために、一度顔を合わせておくことが大事。会って話せば、人柄や、どういう人生を歩んできた人かが、ある程度はわかると思います。
万が一、怪しい相手ならば全力で反対する必要がありますが、そうでなければ、温かい目で見守りましょう。親子で恋愛について語るのは、特に親世代の男性は慣れていないと思いますが、普段から会話をして、フランクに打ち明けられる親子関係を作っておくことは大切なポイントです。
化粧は認知機能の低下を防ぐ効果も
「若い頃は毎朝、鏡台の前で化粧をしていた母が、いつからか、まったくしなくなって。年をとって外出する機会が減って、外見を構わなくなりました」と、ある50代の女性が話していました。
高齢になれば、シワやシミが増えるのは仕方がないですが、「化粧してもきれいにならないから」とあきらめてしまうと、さらに老け込むことにつながります。女性の場合、外見が心理面に与える影響が大きいと言われています。
最近では、高齢者施設でも、化粧療法(メイクセラピー)を実施するところが増えています。化粧品メーカーの美容部員が、高齢者にメイクを施したり、スキンケアとメイクの仕方を教えたりするもので、化粧後の高齢者は、みるみる表情が明るくなり、「若返ったみたい」と声を弾ませる人もいます。
きれいになると自信がつき、「外に出かけたい」「人と会いたい」と前向きなエネルギーが生まれます。高齢者が社交性を保ち、交友関係を広げるうえでも、身だしなみを整えることは大切です。そこで、子が親に、スキンケアやメイクの仕方をアドバイスして美しくしてあげましょう。
外見に無頓着になると、口周りにうっすらひげが生えている高齢女性もいます。保湿したあと、顔の産毛を剃って、眉毛を整えてあげましょう。それだけでも垢ぬけた印象になります。ちなみに、化粧をすると、視覚、嗅覚、触覚などの感覚を刺激し、脳の血流がよくなることも報告されています。そのため、認知機能の低下を防ぐ効果も期待されています。
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