悠仁さまの筑波大進学に現職教員は「どう接すればよいのか戸惑っている」 学生が明かす過酷な研究生活「一晩中測定があるので、泊まり込みも」
「一般入試に比べ、決して簡単ではない」
大学受験情報サイトでは、一般入試における筑波大の生物学類の偏差値は57.5。対して、悠仁さまの進学先と目されていた東大農学部へとつながる理科II類は67.5となっている。それでも、大学ジャーナリストの石渡嶺司氏は、
「東大の理IIを山に例えるなら富士山、筑波大の生物学類は乗鞍岳といったところでしょうか。つまり、高尾山のように登りやすい山ではないということです。推薦入試とは単純に偏差値で比較できるものではなく、そもそも一般入試に比べ、決して簡単ではありません」
としながら、
「筑波大の生物学類は『国内最大規模』を標榜しています。実際に静岡の下田臨海実験センターや長野の菅平高原実験所などの実習施設を有し、東大や北大と並ぶスケールです。授業では1年次で生態学や遺伝学などの履修が必須となっており、基礎生物学実験もある。2年次からは六つのコースに分かれますが、自分のコース以外の授業、さらには9学群23学類がある中で他学群の授業も受けられる。幅広い学びを体験できるのが筑波大の特色といえます」
8時40分から18時
悠仁さまの進まれる生物学類では、卒業までに必修40、選択科目84と、合計124単位の修得が求められている。卒業生の進路は、昨年度は8割ほどが大学院へ進学し、他の学生はビール会社や製薬会社、教職などに就いている。
前出の記者が続けて、
「筑波大の時間割は、授業の1コマが75分。1日6時限あり、1時限目は朝8時40分から始まります。休み時間は15分で、2限と3限の間に50分の昼休みが設けられています。最終の6時限目が終わるのは18時となります」
大学のパンフレットには、部活やサークル活動は18時以降に行われ、また授業期間中は図書館が22時まで開館しているとも記されている。
「どう接すればよいのか戸惑っていた」
生物学類OBで、現在はある国立の研究機関に勤務する男性が言う。
「一般的に国立大では、学生と教員の割合が2対1くらいですが、筑波大は教員の割合が多く、生物学類では1学年90人ほどの学生に対し、教員80人ほど。互いの距離が近く、さまざまな知見に触れられます。といっても1年次は必修の科目が多く、授業の時間は決まっているため、忙しく感じられることでしょう」
前述のパンフレットにも、
〈低学年では必修科目が多いので、時間割は窮屈になります〉
とある。ちなみに悠仁さまのご入学については、
「私の知人である生物学類の現職教員も『ニュースで初めて知った』とのことで、どう接すればよいのか戸惑っていましたね」(同)
「一晩中、1時間おきに測定をしなければならず……」
同じくOBで、私立大学の教授職にある男性も、
「実験の時間は、初めのうちは基礎を学ぶためのトレーニングとして4~5人のグループに分かれ、正しい答えが出るような道筋を先生が示してくれますが、本当に望ましい結果が出るまでとことん繰り返すので、失敗すれば遅い時間までかかることもあります。特に3年次からは実験のウェイトが増します。例えば、連続的に化学反応を調べる実験では一晩中、1時間おきに測定をしなければならず、学生は泊まり込んでいました」
大学の資料には生物学類の時間割例が記載されており、1年次では「英語」「情報」「体育」といった必修科目を含め、週に20コマ前後の授業が組み込まれている。
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