【奈良県K-POPコンサート】「維新」公認、元「朝日新聞」記者の知事が「2億5000万円」投入を決めた“知られざる背景”
県連代表も務める
昨年の知事選時も、山下知事は決して当選を有力視されていたわけではない。4期を誇る現職・荒井知事が盤石だったからだ。しかし当時の自民党県連会長だった高市早苗・前国家安全保障相が、自らが大臣を務めていた時代の秘書官だった総務官僚を擁立。保守分裂選挙となり、維新公認の山下氏が“漁夫の利”を得たわけだ。山下氏は大阪府以外で初めて「維新の会」公認の首長となり、大きな話題を呼んだ。
しかし、維新と言えば、「身を切る改革」がモットー。県議団はなぜ今回の公金支出に物申さないのか。本会議の採決でも、維新の県議は12名全員が賛成票を投じている。
「県議団にもきちんと説明していなかったようです。彼らが知ったのは、予算修正案を議会提出する直前。それが判明するいなや、疑問視する報道が相次ぎましたから、彼らにとっては大きな迷惑だったでしょう。しかし、彼らにも表立って反対できない事情がある。山下知事は維新の会の常任役員を務める幹部であり、奈良県連の代表も務めている。県議団にとっては、人事権者、公認権者でもありますから、真っ向から反対するわけにはいかない。やむなく賛成票を投じたものの、これではまずいと思ったのか、経費削減の申し入れを行うという“ポーズ”だけは取っていました」
先の総選挙では、議席数を前回から6つ減らすなど、退潮傾向が続いている維新。「K-POP」騒動も今後の展開によっては、躓きの石のひとつになるのかもしれない。