大宮駅「みどりの窓口」は平日昼間から「40人待ち」…JR東日本が“削減をいったん凍結”ではなく、窓口を“復活”させるべき理由

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削減を凍結させるのではなく、窓口を復活させるべき

 結局、約60分待って、ようやく案内された。窓口で切符を買い、南越谷駅で買った片道分の切符を出すと、運賃320円が払い戻された。そして駅員が、大宮駅発・南越谷駅行きの乗車票を作ってくれた。駅員はベテランで、こちらの要望にもスムーズに対応してくれた。やはり、人の手で切符を発券してもらう安心感は何物にも代えがたい。

 これにて完了だが、とにかく切符を買うだけなのに時間がかかりすぎである。筆者が待っている間も、短気そうなオッサンが駅員と揉めていた。「おまえらが窓口をなくすから問題なんだろ」と怒鳴り、窓口の駅員では対応できないのか、奥から上司と思われる駅員が出てきて対応していた。こういったトラブルは日常茶飯事だと思うし、現場の駅員が気の毒で仕方なかった。

 利用者にとってのメリットを考えるなら、切符を買いさえすれば、無料でちょっとしたプチ旅行が楽しめる……というくらいだろう。筆者も空き時間に、大宮でショッピングを楽しんだ。といっても、無理やりメリットと考えているだけで、切符を買うためだけに移動するのはどう考えても時間の無駄である。一刻も早く、アプリもしくは指定席券売機に窓口並みの機能をもたせてほしいものだ。

 さて、JR東日本は窓口削減を一時凍結したが、みどりの窓口が混雑していることには変わりない。筆者は、アプリや指定席券売機の機能が窓口並みになるまでは、みどりの窓口を復活させるべきだと考える。先に挙げた川越駅は絶対に窓口が必要だし、東京屈指のターミナルである北千住駅もなぜ窓口をなくしてしまったのか、理解に苦しむ。都心の山手線や京浜東北線、中央線などは、全駅にあったほうがいいくらいだ。

 7月には夏休みシーズンが到来し、8月にはお盆の帰省シーズンが到来する。それまでにJR東日本がどこまでシステムを改良できるか、手腕が試されている。もっとも、一番簡単な混雑回避策は、みどりの窓口の復活であることに変わりはないと思う。

ライター・宮原多可志

デイリー新潮編集部

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