リブゴルフ選手にとって、全米プロと来月の全米オープンは正念場である理由

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 世界ランキングツアーの対象外であるリブゴルフの選手たちは、メジャー大会の出場機会を得ることがますます難しくなっている。主催者の意向で選ばれる「特別招待」も、6月の全米オープンではリブ選手からの該当者は出なかった。しかし、新たな評価基準の設定や出場資格の見直しの可能性が出ているという。【舩越園子/ゴルフジャーナリスト】

優勝選手以外は出場が難しい

 サウジアラビアの政府系ファンド「PIF(パブリック・インベストメント・ファンド)」の支援を受けたリブゴルフが2022年にスタートして以来、そこへ移籍した選手たちはPGAツアーのメンバーシップを停止され、出場を禁じられている。そのため世界のトッププレーヤーが勢揃いして戦う場と機会は今では失われてしまった。

 そんな中、マスターズをはじめとするメジャー4大会は「どこのツアーであるかは問わず、出場資格を満たした選手はウエルカム」という姿勢を見せている。

 だが、世界ランキングの対象ツアーの承認が得られなかったリブゴルフ選手の順位は下降の一途を辿っており、過去5年以内にメジャー大会で優勝した選手以外は出場資格を満たすことが難しくなりつつある。

 世界ランキングでは大会出場の基準を満たすことが難しくなってきた今、リブゴルフ選手の頼みの綱、いや最後の砦と言えるのが、大会主催からの「特別招待」だ。

リブゴルフ選手が健闘

 今年4月、マスターズを主催するオーガスタ・ナショナルは、日本の久常涼、デンマークのトービヨン・オルセン、チリのホアキン・ニーマンの3選手を特別招待。リブゴルフ選手のニーマンが特別招待されたことに、ゴルフ界では大きな注目が集まった。

 とはいえ、オーガスタ・ナショナルはニーマンがリブゴルフ選手であることには一切言及せず、彼がDPワールドツアーなどの大会に挑んで世界ランキングを自力で向上させようと取り組んだ積極姿勢や実際に上げた好成績を評価していた。

 いざマスターズの4日間を戦ったニーマンは22位タイと健闘。特別招待ではなく資格を満たして出場したリブゴルフの12名の中では、初日から首位発進して大会を沸かせたブライソン・デシャンボーが6位タイ、パトリック・リードも12位タイに食い込んだ。

 こうして振り返ると、今年のマスターズにおけるリブゴルフ選手の存在感は決して小さくはなかったと感じられる。

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