【U-23アジア杯】カタールに勝利しても大岩監督の采配に感じた疑問

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細谷と内野のゴールは朗報

 ここまでノーゴールながら、延長後半7分に決勝点を決めたFW細谷は「前を向いた時に出してくれたので、後は流し込むだけだった」と荒木のアシストを称えた。

 パスを呼び込む細谷の動き出しと、ボランチであるMF藤田譲瑠チマからのパスを受けた荒木が、ほとんどノールックに近い形で細谷に出した2人の息がピタリと合った決勝点だった。

 残念だったのは、松木の交代理由は不明だが、FC東京でコンビを組んでいる荒木とのプレー時間が少ないことだ。

 2人が一緒にプレーしたのは韓国戦後半の14分間だけ。彼ら2人の息の合ったプレーを大岩監督は知らないのだろうかと疑問に思わずにいられない。

 日本の準決勝の相手はイラク対ベトナムの勝者。イラクは初戦でタイに0-2と敗れたものの、最終戦で首位のサウジアラビアを2-1で退けてベスト8に進出。対するベトナムはクウェート、マレーシアに連勝して早々に準々決勝進出を決めた。

 PK戦とはいえ韓国がインドネシアに敗れたように、今大会は東南アジア勢の台頭が目立つ。準決勝も総力戦での戦いになるだろうが、細谷と内野航太郎のFW陣にゴールが生まれたのは明るい材料だ。

 五輪の出場権を獲得するのはもちろん、2度目となるアジア制覇も視野に入ってきただけに、残り2試合の健闘を期待したい。

六川亨(ろくかわ・とおる)
1957年、東京都生まれ。法政大学卒。「サッカーダイジェスト」の記者・編集長としてW杯、EURO、南米選手権などを取材。その後「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。

デイリー新潮編集部

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