「1万円しかないのに困った後輩に5000円を…」 曙太郎さん、仲間から慕われた優し過ぎる素顔とは

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1万円しかないのに「困った後輩に5000円を」

 曙は同じハワイ出身の元関脇高見山こと先々代の東関親方(79)にスカウトされ、1988年に来日した。同年の3月場所で初土俵を踏んだ後は、身長203センチの恵まれた体躯を生かし、序ノ口から歴代1位となる18場所連続勝ち越しを記録。93年1月場所後には史上初の外国人横綱となった。

「平成の大相撲ブームの中心にいたのは、兄弟そろって横綱となった3代目若乃花(53)・貴乃花(51)の二人でしたが、曙は彼らの次に高い人気を誇った力士でした。国民的英雄だった若貴兄弟の前に立ちはだかる体重200キロ超えの巨大な“ヒール”として、圧倒的な強さと存在感を放っていたからです」(大相撲担当記者)

 土俵の上では“ヒール”だったが、素顔の彼は心優しく、多くの仲間たちから慕われたという。

「まだハワイから出てきたばかりの頃、同じ東関部屋のある若い衆が財布をなくして困っていた時、曙は自身が1万円しか持っていなかったにもかかわらず、5000円を差し出したと聞きました。横綱になってからも、巡業先で体調を崩した若い衆がいれば、自分がとったホテルのスイートルームに寝泊まりさせてあげていた」(同)

 後編では、糖尿病にもかかわらず一晩でジンロ27本を飲み干し、その場にいたホステスや男性スタッフにチップを配りまくったという豪快エピソードを紹介する。

週刊新潮 2024年4月25日号掲載

ワイド特集「“事件”は舞台裏で起きている」より

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