「小池都知事の学歴詐称疑惑」最側近の告発が都庁内で「どっちもどっち」と冷めた目で見られているワケ

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 小池百合子東京都知事の“最側近”として知られていた、元都民ファーストの会事務総長の小島敏郎氏(75)が「反小池」に転じて動き出した。4月10日発売の「文藝春秋」で「カイロ大卒業詐称疑惑が出た際、隠蔽工作に加担した」と暴露。17日には日本外国特派員協会で会見を開くなど“猛攻”を続けている。ネット上は「やっぱり怪しかった」と大盛り上がりだが、都庁関係者の多くは「どっちもどっち」と騒ぎを冷めた目で見ている。その理由は…。

切られた腹いせで動いているようにしか見えない

「そもそも小島さんは都庁内で全く人気がない人なんですよ」

 こう話すのは、ある都庁職員である。理由は小島氏の「変節ぶり」にあるという。小島氏は2016年、小池都知事誕生とともに都の特別顧問に就任。築地市場移転問題などで小池氏に助言する最側近だった。

 17年に都民ファ議員が55人当選して第一党になると、党の事務総長に横滑りで就任したが、小池氏の2期目が始まった頃から小池氏と関係が悪化。21年、事務総長を辞任した。

「それからは小池憎しに転じたわけですが、その姿勢が露骨すぎるのです」(同)

 職員が例に挙げるのは、2022年10月にFRIDAYデジタルが報じた「都民ファ不満分子飲み会写真」である。都立高入試への英語スピーキングテスト導入に反対したことがきっかけで、都民ファから除名されたメンバーらが参加していたこの飲み会に小島氏も参加していた。この直後、除名された3名が新会派「ミライ会議」を立ち上げ、反知事に転じた。

「あれを見ると、造反組をウラで小島さんが支えていたのが丸わかり。堂々とやっているならばまだしも、コソコソやっているところが小島さんの評価を落としているのです。今回も切られた腹いせで動いているようにしか見えません」(同)

「なぜ選挙前になって騒ぎ出す」という声

 ここで小島氏が文藝春秋で告発した内容を整理しておく。

 20年6月、石井妙子氏の著書「女帝」が出版されたことで2期目の出馬を目指していた小池氏は窮地に追いやられていた。小池氏のカイロ時代にルームメイトとして一緒に過ごしていた女性の告白など、石井氏が丹念に取材を重ねた同著の内容は、「カイロ大を首席卒業」したとしていた小池氏の矛盾を鋭く突くものだった。

 都議会自民党は卒業証書・卒業証明書の提出を求める動議を議会に提出。そんな中、小池氏は焦って小島氏に電話してきて、火消しの相談を持ちかけたという。小島氏は、カイロ大学から卒業したことを明言する「声明」を出してもらうよう進言。内容についても助言した。

 結局、駐日エジプト大使館のFacebookに「卒業したことを証明する」とする声明が載ることになったのだが、その文案は、小池氏が小島氏と並行して相談していた「ジャーナリストA氏」が作成したものがベースになっていたことが最近になって判明したという話だった。

 小池氏の姑息さが改めて浮き立った話であるが、都庁内では「小島さんだって姑息」という声がよく聞かれるという。

「自ら明かしたように、かつては学歴詐称の隠蔽工作に加担していたくらい小池さんとズブズブだったわけです。それを棚に上げ、隠蔽工作に関わった当時は『小池さんの卒業はしているという言葉は信じていた』などと小池さんに騙されていたかのように話している。いやいや、A氏が出てくる以前に十分怪しい話だったでしょう。なんで選挙前になって急に騒ぎ出すのかと呆れられているのです」(同)

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