「みんなでAさんを死に追いやってしまった気が…」 宝塚生徒たちの悲痛な叫び、パワハラを主導したとされる生徒は“氷の微笑”

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渦中の生徒は“氷の微笑”

 このようにおえつ、悲憤、号泣で悲愴感に包まれた説明会となったのであるが、なかでもひと際、参加者の目を引く人物がいた。

 劇団関係者が声をひそめて言う。

「(パワハラの主導者とみられる)渦中のBさんは質疑応答の間、涙ながらに話をする生徒の方に一度も目を向けることなく、何も言わずにただ微笑を浮かべて、前をじっと見据えていました。それはまさに、“氷の微笑”という感じで、異様というほかありませんでした」

 この不気味な冷笑は何を意味するのか。Bは長らく謝罪する気など毛頭ないという態度を崩してこなかった。今回、遺族に対しては「謝罪の手紙を提出した」(同)というが、それは心からの贖罪に基づくものだったのだろうか。

「説明会の最後、組長の松風輝(まつかぜあきら)から“みんなにいろんな思いをさせてしまったのは申し訳なく思っている”などと言葉があったものの、上級生からの反省の言葉はそれだけ。理事長以下、劇団がきちんと問題に向き合っているとは到底いえません」(同)

 Aさんの母親は宝塚との合意締結を受けて、「訴え」と題する文面を公表した。以下はその一部である。

〈娘は決して弱かったわけでも、我慢が足りなかったわけでもありません。過酷な労働環境と、酷いパワハラの中でも、全力で、笑顔で舞台に立っていました。(中略)娘に会いたい、生きていてほしかったです〉

 依然、宙組の全公演は中止されたままだ。村上理事長は「今後、一定の時期をみて、(宙組公演の)予定については発表したい」としているが、説明会でのBの姿を目の当たりにした下級生たちの慄(おのの)きたるやいかばかりか。公演が再開できるとは考え難いのだ。

 前編では、生徒から遺族との話し合い内容について聞かれても「これ以上のことをお伝えできない」などの回答に終始した劇団側の対応などについて報じている。

週刊新潮 2024年4月18日号掲載

特集「遺族と合意でも『宝塚』内部説明会は紛糾 嗚咽、悲憤、号泣に『絶望の宙組』」より

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