“北陸新幹線”延伸で話題の「敦賀駅」に不満が殺到…「中京・関西住民はかえって不便に」、「乗り換え“わずか8分”問題」も

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敦賀駅の構造そのものが良くない

 敦賀駅の問題点は他にもある。まず、これほど多くの人が利用する駅なのに、改札外に“みどりの窓口”が1ヶ所しかないことだ。改札内には2ヶ所(台)あるが、当日分の発売しかしておらず、事前に買っていた切符を変更したい場合は改札外に出なければならないのだ。

 しかも、その窓口が東口(やまなみ口)にある。氣比神宮や敦賀港などの観光地に向かう玄関口で、ビジネスホテルが多く建つ西口(まちなみ口)には、評判がよくない“話せる指定席券売機”が1台あるのみである。

 この券売機は、自分で操作もできるが、オペレーターに繋いで切符を発券して貰えるシステムが搭載されている。しかし、繋がるまで時間がかかるため、ギリギリに駅に着くと切符が買えず、乗り遅れる可能性がある。何より、高齢者は使いにくい。そして、西口から新幹線乗り場までが遠かった。跨線橋で線路を跨がなければならず、動く歩道やエスカレーターを利用しても、3~5分はかかる。

 JR各社はインバウンドの受け入れに熱心であるし、若者よりもシニア向けの旅行商品を積極的に発売している。その一方で、JR東日本はみどりの窓口を積極的に削減している。これはあまりに不親切であろう。高齢者が駅員に怒鳴り散らす光景は、出張で駅を利用していると頻繁に目にする。インバウンドや高齢者を重視しているのに、彼らの利便性を損ねるコストカットばかりしているのだから、極めてちぐはぐな経営である。

 敦賀駅は、昨今のJR各社を取り巻く問題が凝縮したような駅、と言わざるを得ない。折しも、もうすぐゴールデンウイークが到来する。帰省客と観光客がドッと北陸に押し寄せるであろう。スムーズにトラブルなく、遅れなく列車を発着させることができるのだろうか。JR西日本の手腕が試されていると言っていいだろう。

ライター・宮原多可志

デイリー新潮編集部

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