大谷翔平が「嘘つき」呼ばわりされた「1号ホームランボール」騒動、メモリアルボールが異常高騰している今どきの事情

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「ドジャース2号」ボールも話題

 大谷の1号ボールは宣伝価値が高く、様々な活用方法が考えられる。「何が何でもボールを渡してもらおう」とドジャースが考えたとしても不思議はない。その結果、大切なファンであるローマン夫妻の心を傷つけてしまった──。

 さらに、これほどメモリアルグッズの市場が過熱してしまうと、「節目ではないボール」でも高額で取引される可能性がある。何しろファウルボールでも220万円。大谷のドジャース2号、3号、4号にも、それなりの高値が付けられるというわけだ。

「2号や3号といった節目ではないボールは、ドジャーズ側も回収しようとはしません。その分、持って帰ってオークションに出品するのが楽になります。ただし、ボールを手にしただけでは本物という証明がありません。偽物だと疑われ、市場価値は下がります。そこで最低でも大谷選手にサインと日付を入れてもらう必要があります。選手の出入り口で出待ちをするか、球団によっては職員に頼むこともできます。ファンサービスの一環として大谷選手に取り次ぎ、サインと日付を入れて返してもらえます」(同・友成氏)

 ちなみに、5日の対カブス戦で大谷はホームランを放ち、節目ではない「ドジャース2号」のボールはジム・リッチさんが手にした。

ドジャースの“謝罪”

 ところが、リッチさんは高額の市場価値など見向きもせず、ボールをグラウンドに投げ返してしまった。リッチさんは取材に応じ、投げ返した理由を「伝統」と説明した。「私は生まれた時からカブスのファンで、大谷選手のファンではない。敵チームのホームランボールはグラウンドに投げ返すのが伝統」と笑い飛ばし、こちらも話題になった。

 また、ドジャースはアスレチックの取材に応じ、ローマン夫妻を12日のパドレス戦に招待することを明らかにした。

 ちなみに12日は妻のアンバーさんの誕生日。試合前にグラウンドに入れるほか、席も内野の前列だという。アンバーさんは取材に「感謝している。次の人に同じ経験はしてほしくない」と語り、自身の経験が改善に役立ったのなら歓迎するという考えを示した。

「メモリアルグッズの異常な高騰を苦々しく思っているMLBファンも、実はかなりの数にのぼるのです。野球の本質とは何の関係もありませんし、ネット社会の問題点を浮き彫りにしているからです。何よりファンにとって困るのは、グッズだけでなくチケットの高騰もひどいことになっていることです。ローマンさん夫婦のように外野席で試合を楽しむにしても、最近では1万円を超える席が目立ちます。またアメリカの球場は対戦相手などで値段が変わるので、人気のある試合はさらに価格が上昇してしまいます」(同・友成氏)

デイリー新潮編集部

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