「深夜、双眼鏡を持って水飲み場の蛇口にお尻を…」56歳男が器物損壊容疑で逮捕 地元民が語る「芦花公園」の”特殊な事情”と恐怖体験

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 お花見シーズン真っ盛りに、東京・世田谷区の蘆花恒春園(都立芦花公園)で奇怪な事件が起きた。逮捕されたのは56歳の男で、容疑は水飲み場の蛇口を使えなくした「器物損壊罪」。犯行に用いたのは自分の「お尻」だった。事件があった時間帯に現場を取材すると、背景がおぼろげながら見えてきた。 

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双眼鏡は「周囲に人がいないか確認するため」

 芦花公園は「不如帰」の代表作で知られる明治・大正期の文豪、徳冨蘆花が住まいとしていた場所である。桜の満開を迎えた4月6日、この公園で起きた“珍事件”を伝える記事がネット上を騒がせた。

 警視庁が4日、園内の水飲み場の蛇口を使用できなくしたとして自営業の男(56)を器物損壊容疑で逮捕したことを伝えるニュースだ。

「男は1日の深夜3時頃、公園付近の路上で下半身を丸出しにして自転車に乗っているところを警察官に見つかり、現行犯逮捕されました。その後、男の携帯電話を調べると、園内の水飲み場で下半身丸出しの状態で蛇口に自分の尻をこすりつけている写真が複数見つかり、器物損壊容疑でも再逮捕されたのです」(警視庁担当記者)

 男は「欲望を満たすためにやってしまった」「写真に撮ったのは、後に自宅で見返しながら楽しむためだった」などと供述しているという。恥ずかしいことをしている自分の写真を見てどのように興奮するのかは甚だ謎だが、さらに世間を驚かせたのは男が犯行時に双眼鏡を所持していた目的だった。

「男はこっそり一人で楽しむことを目的としていたと話している。双眼鏡を使って行為を始める前、周囲に人がいないか点検していたようです」(同)

 いったい現場はどのような状況だったのか。犯行時間に合わせて公園に行ってみた。

鳥の鳴き声だけが不気味に響く園内

 公園に着いたのは7日の深夜2時過ぎ。正門は閉まっており、徳富蘆花の旧邸がある一部区域には入れないが、遊歩道は自由に出入りできた。

 園内は人っこ一人おらず鳥の鳴き声だけが不気味に響いている。街灯が多いのでそこまで暗くはないが、灯りが届かない茂みも多く、女性がひとりで歩くのは怖いだろう。防犯カメラもない。

 入り口から2、3分進むと、水飲み場がある東屋が見えてきた。近づくと40代くらいの男性が暗闇の中一人で座っていたので、思わずのけぞった。相手も同じで、しばし両すくみ状態に。

 記者だと名乗ると警戒を解いてくれたが、男性は怪しい人ではなく、夜勤の仕事から帰宅途中にたまたまここで休んでいただけだった。事件の取材に来たと伝えると、知らなかったようで驚いて立ち上がり、

「え? この蛇口に犯人の男が? お尻を?」としばらく水飲み場を凝視していた。

 5日に時事通信が配信した写真では、水飲み場の周囲はカラーコーンで囲まれており、「使用中止(ただ今修理を手配しています Not in use under repair)」と書かれた札が写っていたが、記者が訪れた時にはすでに規制は解かれていた。

 男性はいつもこの時間帯に自転車でここの前を通るが、最近は不審者を見たことがないと語った。ただ、2~3年前に今回の事件を彷彿とさせる不審者に3度ほど出くわしたことがあるという。

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