私服警察官の顔写真まで…反社組織「ナチュラル」が1500人のスカウトマン管理のため“数千万円かけて”独自開発した「秘密アプリ」

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提携店舗は全国に約4000店舗

 プレーヤーを管轄する幹部の序列は下から、部長、本部長、専務、代表、執行役員。例えば執行役員ならば〈直接連れてきたプレーヤー3名が部長に昇格し、班の売り上げが2000万円以上の場合〉などと昇格の条件が定められている。

 このように大企業のように統制された組織を、都内ばかりでなく全国規模で展開しているというのだ。北は「札幌・すすきのエリア」、南は「熊本エリア」まで、昨年5月時点での提携店舗は全国で約4000店に達するほど勢力を拡大している。

〈ナチュラルは、住吉会傘下組織とのトラブル後も歌舞伎町での活動を強く希望しつつ、全国に紹介店舗を展開しており、今や出稼ぎ時代で、地方の女の子が東京で働いたり、逆に東京の女の子を地方で働かせたりもしている〉

 一般の企業との大きな違いは金融機関を使わず、集金や給与の支払いをすべてキャッシュで行なっているところだ。

〈採用された女性の売上げに一定の掛け目を乗じた紹介料(スカウトバック)が発生し、本社集金課が現金でこれを回収する(口座間送金で行うと捜査機関に発覚する恐れがあるため現金での回収)〉

〈給与の支給は金融機関等に記録が残ることを避けるため、幹部構成員を介した現金手渡しで行われる〉

捜査機関に非協力的なApple社のiPhone端末の使用を強制

 警視庁がナチュラルの勢力拡大に貢献したツールとして注目しているのが、彼らが数千万円をかけて独自開発したとされる「アプリ」である。

〈ナチュラルは、メンバー間、メンバーと店舗間ともに、業務に係る連絡は、原則独自に開発したとされる専用のスマートフォンアプリを使用することを徹底させており通信会社に通話明細等が残らないようにしている。また、捜査機関に非協力的であるとされるApple社製のiPhone端末を使用することもメンバーに強制し、捜査機関に対する組織情報の秘匿を徹底している〉

 このアプリを使って〈出退勤管理から給料の支払い、実際のスカウト行為の指導、店舗との提携に関するまでの業務の全て〉を行なっているという。
 
 アプリには集団が定めた数多くの「掟」も掲げられている。資料には〈ウイルス3か条〉と表示された画像を掲載。万一警察に捕まった際の注意書きだ。

〈一、絶対に携帯の暗証番号言わない 二、絶対に店の名前を言わない 三、絶対にフリーのスカウトという ※守れない人は責任取らせます〉

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