くりぃむしちゅー「有田哲平」が53歳にして「ボケの呪縛から解放された」…ラーメン番組で“食レポなし”の自然体ロケを貫いた理由

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「一杯をかみしめたいから、余計なことはしたくなかった」

「有田哲平の休日はラーメン連食」では、先生である赤池さんとともに、「Ramen FeeL」(青梅)「船越」(桜上水)といった話題の店をめぐる。有田さんから「ラーメン番組ができるのであればBSでやりたい」とリクエストしたと明かす。

「僕は、BSの番組がめちゃくちゃ好きなんです。『ビルぶら!レトロ探訪』、終了してしまったけど『~日本全国~桂宮治の街ノミネート』とか、肩ひじ張らない番組が好き。ラーメンを楽しむんだったら、オンのときの自分とは違う、オフ感のある番組にしたかったんですよね」

 その言葉通り、番組で映し出される有田さんの姿は、ほとんど「素」だ。私服で行列に並び、食レポもしない。支払いも自費。遠目からカメラで撮影する様子は、まるで「はじめてのおつかい」だ。

「一杯をかみしめたいから、余計なことはしたくなかったんですよ。店主の方とコミュニケーションを取るなんて普段はやらないから、黙って席に座っているだけ。お店の中では、先生の方が話しているくらい。こういう番組って、今の僕の気持ちとなんか合っているところがあって。芸人としての手応えはまったくないんだけど、BSファンである自分からしたら理想的な番組。夢のような空間でした。ボケもせず、リアクションもせず、ただ美味しいラーメンを食べるだけっていう(笑)」

 近年、有田さんは自身のバックボーンをオープンにする機会が少なくない。「有田と週刊プロレスと」(Amazonプライムビデオ)、「賞金奪い合いネタバトル ソウドリ~SOUDORI~」(TBS系)の一コンテンツ「解体新笑」などでは、自身を涵養した思考が紐解かれる。見方によっては、「有田哲平の休日はラーメン連食」も、そんな有田さんのこだわりが垣間見える番組かもしれない。

「等身大の自分をつらつらと偉そうに語ることは、20代の頃からずっとやっていたんですよ。ただ、オンでは誰も求めていなかった。20代の頃だったかな。恋愛討論をするような番組に、若手芸人の一組として呼ばれたので、真面目に恋愛について語った。次からは、呼ばれなくなりました(笑)。僕たちに求められていたのは、ボケなんですよね」

 ロケに行っても、ボケることばかり考えていたという。

「有名な観光スポットを訪れているときも、“なんかボケられるものないかな”ってキョロキョロしちゃって。その場を楽しむ余裕なんてない。だから、訪れたのに思い出がないんです。普通に楽しんだり、好きなことをするって発想がなかった」

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