芸人初のテレビ司会をつとめた萩本欽一 意外と知られていない“革命的な功績”とは何か

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3年ぶりに復活した「仮装大賞」

 萩本欽一が司会を務める「全日本仮装大賞」はテレビ史に残る人気番組である。1979年に始まり、特番としてたびたび放送されてきた。しかし、2021年2月の放送回で、収録中に萩本は突然「今回で私、この番組終わりね」と勇退を宣言した。それ以来しばらく放送されることはなくなり、事実上の休止状態になっていた。

 萩本としては、体力の衰えを感じていたこともあり、共に司会を務めていた香取慎吾に番組を譲ったつもりだったのだが、香取は「大将(萩本)がやらないなら僕もやらないからね」と語って、1人で司会をすることを固辞していた。

 そんな「仮装大賞」が3年ぶりに復活して話題になった。2024年2月12日に「欽ちゃん&香取慎吾の第99回全日本仮装大賞」(日本テレビ系)が放送されたのだ。

 収録の冒頭、前説のために萩本が舞台に上がると、客席からの温かい拍手と歓声で迎えられた。感極まった様子の萩本は、声を震わせながら「来て良かった」と言っていた。

「視聴率100%男」の異名を取った萩本

「仮装大賞」が長年にわたって人気を保っているのは、その企画が圧倒的にわかりやすくてオリジナリティがあって面白いからだ。「仮装」という自由度の高い条件の中で、毎回、一般参加者がさまざまな趣向を凝らしたパフォーマンスを見せてくれる。

 衣装や舞台装置に手作り感があって親しみが感じられる上に、参加者が必死になってパフォーマンスをする姿が人間ドラマとしても見応えがある。参加者を優しく包み込むような萩本と香取の温かみのある司会ぶりも、この番組のイメージを良くしている。

 萩本は、坂上二郎とのコンビ「コント55号」の一員としてテレビの世界に颯爽と現れ、瞬く間にテレビを席巻した。

 コンビとしてレギュラー番組に出るだけでなく、単独で司会者を務めることも多かった。フジテレビ系「欽ドン!良い子悪い子普通の子」、同「オールスター家族対抗歌合戦」、テレビ朝日系「欽ちゃんのどこまでやるの!」、TBS系「欽ちゃんの週刊欽曜日」など、民放各局に高視聴率の番組を持ち、その合計視聴率が100%を超えていたことから「視聴率100%男」の異名を取っていた。

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