「大川隆法総裁」の死から1年 「幸福の科学」の意外な現状「創価学会と比べて……」「清水富美加のいま」

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後継者も不在

 教団にとって、大川総裁の死がいかに“想定外”の出来事だったかが、よくわかる。かような状態ならば、気になるのは信者らの現在の様子だ。

「隆法氏の復活を信じる信者も少なからずいて、各支部で『復活の祈り』は今も続けられています。ただ、会員数の如実な変化とまでは言わずとも、一部では“実働会員”が減っているという話も出てきています。実は隆法氏が生きていた頃から、まじめに提言を読み込む古い信者ほど、隆法氏の霊言などに疑問を抱いて教団と距離を置こうとする現象も見受けられました。逆に言うと、そのような思考をしない、妄信的な信者ばかりが教団に残る傾向が今後も続いていくと、組織としての健全性が一層失われていく可能性もあると思います」

 そんな組織を牽引する新たなリーダーも、未だ不在のままなのか。

「かつては隆法氏の長女・咲也加氏が『次期総裁』として一般向けにも公表されていました。ところが、亡くなる直前の隆法氏が、咲也加氏の“守護霊”を妖怪だと言い出し左遷してしまったため、教団内では影を潜めています。そのため、隆法氏の最後の妻である、総裁補佐の紫央氏が有力候補とされたものの、未だに彼女が後継者として表に出てくることはなく、何より組織をけん引するような能力も権威もないというのが大半の見方です。一応登記上は、幸福実現党の党首を務めていたこともある石川悦男氏が『代表役員代務者』という形で掲載されています。こちらも、文字通りあくまでも代務者。新たなリーダーは依然として不在のままです」

清水富美加氏は今……

 ともすれば、もはや組織は弱体化の一途を辿るように見えるのだが、「そう単純な話ではない」と藤倉氏は続ける。

「一部の会員に距離を置かれ始めたとしても、教団が持つ資産は潤沢であることに変わりはありません。ピーク時にはお布施だけで300億円もの収入があったと言われていますし、全国各地に所有する不動産は400以上にも及びます。教祖不在でも、いきなり破綻はしないでしょう。とはいえ唯一無二の信仰対象を欠いて、組織の勢いが“ジリ貧”状態であるのもまた事実でしょうし、実際に『幸福の科学学園 高等学校』は、年々定員割れの度合いが大きくなっています。このような、収益的に厳しい事業を再編し始めたり、あるいは教団が持つ不動産を売却し始めるような動きが見られたりしたら、一つの転機と見ることはできるかもしれません」

 ちなみに、2017年に幸福の科学に出家したことで知られる、女優の清水富美加氏が“救世主”となることはないのか。

「そもそも清水さんは、隆法氏には担ぎ上げられていたものの、教団内での人望や権威を持つ存在ではありません。自身がパーソナリティを務めていた教団関連のラジオ番組も近年終了していて、また隆法氏の死後は、新作映画の発表もピタリと止んでいますから、教団内での露出さえもが減っている状況です」

 こうした実態を受けて、大川総裁の死去を公表していない事実やその理由、会員数の現状について幸福の科学に問い合わせてみると、

「(大川総裁の死去を公表していない事実やその理由については)お答え致しません。各支部を訪れる会員が減少したという事実はありません」

 教団の行方からは、しばらく目が離せなそうだ。

デイリー新潮編集部

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