「これほど嫌われていたのかと白鵬自身も驚いていると思う」 相撲協会の“宮城野親方イジメ”…名誉挽回の秘策とは

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「協会理事から理事長という夢も絶たれた」

 初日から横綱と2人の大関が敗れる波乱の幕開けとなった大相撲春場所――。そんな力士たちの奮闘よりも世間の注目を浴びているのが、暴力沙汰で揺れる「宮城野部屋」の行く末だろう。部屋を率いてきた「平成の大横綱」が繰り出す名誉挽回の秘策とは。

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 宮城野親方(元横綱・白鵬)は日本相撲協会から2階級降格などの処分を受けたが、今後は手塩にかけた弟子もろとも部屋自体が、所属する伊勢ケ浜一門の預かりとなり、「宮城野部屋閉鎖」が現実味を帯びつつある。

 相撲担当記者が言う。

「春場所初日、伊勢ケ浜一門が協会に対して、4月以降は宮城野親方と弟子らを別々の部屋預かりとする可能性も含め、今後について協議したことを報告したのです。それに沿った形で協会も検討を進める腹積もりですから、平成の大横綱が自らの部屋を持たず後進の育成ができないとなれば、角界での存在感が低下することは避けられません。本人が夢見ていた協会理事から理事長へのし上がる道も、実質的に絶たれた格好です」

「死亡事件を起こした時津風部屋でさえ…」

 協会の処分が厳し過ぎるという声は根強く、春場所を取材する相撲レポーターの横野レイコ氏もこう語る。

「平成になって以降、部屋が閉鎖されたのは、暴力団関係者と親方のつながりが問題視された木瀬部屋と、親方が弟子に暴力をふるった中川部屋の二つ。どちらも親方自身が起こした不祥事絡でしたが、今回は弟子が起こした暴力による監督責任。もちろん北青鵬の起こした暴力は許されるものではありませんし、宮城野親方が北青鵬の暴力を黙認し、協会に報告せず、協会の調査にも隠蔽(いんぺい)工作をしたことを重く見ての処分として2階級降格と減俸は妥当だと思いますが、そこに部屋の閉鎖まで加わるのは、過去の事例との整合性も合わず重すぎる処分だと思います」

 さらに、

「暴力による死亡事件を起こした時津風部屋でさえ、協会は親方と加害力士は解雇処分にしたものの、部屋自体の閉鎖はなかった。協会関係者らに取材しても、部屋閉鎖までの処分は行き過ぎとの声も多かった」(同)

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