岸田総理が周囲に「自民党が終わってしまう」 政倫審を放置した茂木幹事長を更迭するプランが浮上

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 政治倫理審査会は1985年、ロッキード事件を受けて衆参両院に設置された。爾来(じらい)39年、現職総理大臣として初めて政倫審に臨んだ岸田文雄総理(66)。異例の決断の背景には党No.2の“背信”があった。岸田総理が生き残りを懸けて画策する次の禁断の一手とは。

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 現職総理大臣も出席した前代未聞の政倫審が開催されたのは、2月29日と3月1日の2日間だった。

 まず29日午後2時から、岸田派会長の岸田総理と二階派事務総長の武田良太元総務相(55)が個別に答弁。翌日朝9時からは安倍派事務総長経験者、すなわち西村康稔(やすとし)前経産相(61)、松野博一前官房長官(61)、高木毅(つよし)前国会対策委員長(68)及び座長の塩谷立(しおのやりゅう)元文科相(74)の4名が次々と、生中継のカメラも入った“尋問”の場に“出頭”したのである。

国会議員の出席は18年ぶり

 岸田総理本人も、過去に類例のない重大な事態にいささか緊張した面持ちで、

〈私は“すなわち後来の種子いまだ絶えず”という言葉、つまり志を持った有望な人材を将来に引き継いでいくことの大切さを述べた、この言葉を今、かみしめています。私たちはこの今の政治を未来のこの世代に、自信を持って引き継いでいくことができるだろうか。このことを思います時に、誠に申し訳ないことであると思っております〉

 吉田松陰の言葉を引用しながら、自民党派閥の裏金問題に関してそう陳謝したのである。

「政倫審の開催自体、2009年7月以来、15年ぶりです。しかも当時、政治資金の虚偽記載に関する問題を問われていた鳩山由紀夫元総理は出席を拒否。国会議員が出席した政倫審となると06年2月までさかのぼります。以上の事情からも、今回の岸田総理の決断がいかに異例だったのかが分かります」

 とは政治部デスク。

「総理が政倫審出席を決断するまでには、かなりの紆余(うよ)曲折がありました。与野党間で政倫審に出席する自民党議員の選定や、公開の是非を巡って攻防が続いたうえに、与党内部でも調整が難航したのです」(同)

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