マンションなら1部屋100億円超えか ブリヂストンが売却した「六本木社宅」の跡地の行方

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 またひとつ、東京都心に“弩級”のマンションが登場するかもしれない。

 ブリヂストンが東京・港区六本木にある社宅を売却すると発表したのは2月16日のこと。土地面積は約5696平方メートルもあり、売り値は約634億円。ブリヂストンに聞いてみると、

「当社は東京や神奈川に社宅を保有していますが、六本木の社宅は一番古く、建て直すより売却が妥当と判断しました」(広報担当者)

 現地を訪れてみる。地下鉄の駅から3~4分歩くと「ブリヂストン三河台第2社宅」というプレートのかかった建物がある。入り口にはその昔、志賀直哉の居宅があったことを記した案内板が。まだ引っ越しが終わっていないのか、洗濯物が翻るベランダもあったが、目の前は東京ミッドタウンという好立地である。

 同社は売り先を明らかにしていないものの、不動産登記を見ると「三井不動産レジデンシャル」が出てくる。きっとマンションが建つのであろう。

100億円超え?

 気になる値段はというと、参考になるのは、隣に立っている「パークマンション檜町公園」だ。

「社宅のある場所は容積率などから中層の建物しか建てられません。パークマンション檜町公園も同じ条件で、2017年に竣工し、最上階の176坪の部屋は約55億円で売りに出されました。昨年オープンした麻布台ヒルズのアマンレジデンス東京がこれを抜きましたが、当時は億超えのはるか上を行く日本一高いマンションとして話題になったものです」(不動産会社幹部)

 あれから7年、都心の物件はさらに値上がりを続けている。不動産コンサルタントの森島義博氏によると、

「マンションの値段を予想するには、まず土地の取得価格から“一種単価”を割り出します。これは容積率100%あたりの土地単価のこと。次にマンションの建築費を足し、“レンタブル比”を掛ける。レンタブル比とは、エレベーターや廊下など共用部分を除いた居住スペースの比率です。その数字にデベロッパーの平均的な利益を乗せると、おおよその価格帯がうかがい知れます」

 さっそく計算してみると、パークマンション檜町公園の最上階の部屋と同じ広さで3ケタ億円という数字が。志賀直哉が聞いたら仰天するだろうが、この値段でも珍しくなくなってきたのが、近頃の東京なのだ。

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