日テレ「イッテQ」はやはり強し…業界で囁かれ始めたテレ朝「ポツンと一軒家」の“宿命”とは

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1コンセプトの宿命

「最近の『ポツンと一軒家』は世帯視聴率で見ても20%どころか10%台前半が続いていますから漸減傾向にあります。やはり1コンセプトもののバラエティ番組の宿命と言っていいと思います。ネタ切れとマンネリには勝てないのです」

 それは歴史が証明するという。

「『ポツンと一軒家』の時間帯は大阪の朝日放送の制作枠で、かつては『大改造!!劇的ビフォーアフター』が放送されていました。この番組にも同じことが言えます」

 古い家を大改造して住みやすくするのはもちろん、家族の絆まで解決する番組は、2002年にレギュラー放送が始まり、特番として放送された06年からの3年間を挟み、16年まで放送された。以降は特番として不定期に放送されている。

「『ビフォーアフター』は03年3月に世帯17・2%を記録し、同年にはサザエさんの声を務める加藤みどりのナレーション『なんということでしょう!』も含め新語・流行語大賞のトップ10にも選ばれました。レギュラー終了の理由は、東日本大震災や東京五輪の建設工事の影響で、番組で扱う物件の工期が遅れたためということでしたが、視聴率低下も原因でしょう。実際、16年11月27日の最終回は世帯7・9%で、裏の『イッテQ』の世帯20・8%に惨敗しました」

 これも1コンセプトものの宿命なのか。

ポツンと一番組

「家のリフォームというコンセプトだけで、中断期間を含めても14年はよくもったと思います。同様に、名バラエティと呼ばれ一世を風靡した『伊東家の食卓』(日テレ)は9年半、『嗚呼!バラ色の珍生!!』(日テレ)は6年半、久米宏アナの『ぴったしカンカン』(TBS)は10年半、関口宏の『クイズ100人に聞きました』(TBS)は13年半といった具合です。やはりGP(ゴールデン・プライム)帯では10年が限界かもしれません」

 もっと長く続いているバラエティ番組もあるが……。

「『笑点』(日テレ)を筆頭に、『新婚さんいらっしゃい!』(テレ朝/朝日放送制作)、『朝だ!生です旅サラダ』(同前)のような長寿番組は、土日の朝昼など広告料が安い時間帯に放送されているからです。各局が鎬を削るGP帯ではそうはいきません」

 ちなみに、「ビフォーアフター」のMCだった所ジョージを残して同じ枠でスタートしたのが「人生で大事なことは○○から学んだ」で、この番組の一企画から派生したのが「ポツンと一軒家」だ。

「17年に不定期特番として始まり18年10月にレギュラー化した『ポツンと一軒家』ですが、放送期間はまだ6年半、飽きられるのは早い気もします。とはいえ、大河がパッとしない中、民放でこの番組だけ数字が落ちているのは元々が別番組の一企画、つまり1コンセプトという問題があるからでしょう。しかも、コア視聴率では見る影もない。日曜夜8時の枠では『イッテQ』はじめ『せっかくグルメ』『クセスゴ!』も様々な要素を取り込んだ番組作りをしています。そんな中、1コンセプトの『ポツンと一軒家』は“ポツンと一番組”になろうとしています」

デイリー新潮編集部

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