「芸人だけでは食えないのになぜ舞台に立ち続けるのか」 ナイツ塙が“懲りない芸人”の映画を撮った理由

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 都内で指折りの観光名所の浅草寺・雷門。そこからほど近い一般社団法人漫才協会で会長を務める、漫才コンビ・ナイツの塙宣之(45)が初の監督業に挑んだ。3月1日に公開される「漫才協会 THE MOVIE~舞台の上の懲りない面々~」で、日常的に東京・浅草フランス座演芸場東洋館の舞台に立つ、協会に加盟する芸人へのインタビューを中心としたドキュメンタリー作品だ。当の塙が言う。

「企画から2年かけて完成させました。最初はあんまり乗り気じゃなかった。でも、やっているうちに面白くなって、インタビュー映像は合計で100時間を超えてしまった。それを1時間40分ほどに編集するのは大変だったけど、われながらうまくまとまったんじゃないかと思っています」

クセのある個性派ぞろい

 協会に加盟する芸人は120組を超える。いずれもクセの強い個性派ばかりだ。例えばお笑い界でも評判の仲の悪さで知られ、3年前に塙がバラエティー番組で関係を修復させて再ブレイクを果たしたコンビのおぼん(75)とこぼん(75)をはじめ、酒に酔って線路に転落し、電車との接触事故で右腕を失いながら、義手を付けて舞台復帰を果たした大空遊平(72)など。

 ほかにも、6年前に正式に離婚しながら同居を続ける「夫婦漫才」の、はまこ(45)とテラこ(44)、ほとんど舞台には上がらず、漫才界で由緒ある屋号の「高峰」を守るだけのために協会に加盟しているという“幻の芸人”高峰コダマ(年齢不詳)らといった具合だ。

「映画で一番伝えたかったのは、漫才協会の存在と、浅草の東洋館では毎日、芸人がお笑いをやっているという事実。だから、一人でも多くの芸人を出したかった。漫才協会にはこんなに面白い人、ユニークな人がいることを知ってほしくて」

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