ヘンリー王子と“がん公表”チャールズ国王の対面は「30分」 滞在25時間の短すぎる緊急帰国を巡って賛否の声が沸騰

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英国滞在は約25時間

 急展開だった。キャサリン妃の腹部手術成功とチャールズ国王の前立腺肥大治療が発表されたのは英国時間1月17日のこと。病状について様々な憶測が飛び交うなか、チャールズ国王は26日から29日まで治療のために入院した。だが、退院から一週間後の2月5日夜、複数の検査で「がんの一種」が見つかり「定期的な治療」を開始したという衝撃的な事実が発表された。

 この重大事態にすぐさま反応したのは、メーガン妃とともに英王室を離脱し、現在は米国で暮らす次男のヘンリー王子である。一時帰国の意向があるという報道から数時間後には、ロサンゼルスの空港でその姿が目撃された。約11時間のフライトを経てロンドンのヒースロー空港に到着したのは英国時間6日の午後1時だ。

 ヘンリー王子はその足でチャールズ国王とカミラ王妃の公邸、クラレンス・ハウスに向かった。到着は午後2時45分。そこで父と久々の対面を果たしたが、滞在は約45分、会話は約30分だったという。チャールズ国王は午後3時35分にクラレンス・ハウスを離れ、ヘリコプターでノーフォーク州のサンドリンガム領に移動した。

 その後、ヘンリー王子はロンドンの高級ホテルで一泊したと報じられている。そして翌日の午後、ヒースロー空港からロサンゼルスに向けて飛び立った。約25時間という短い帰国の間、深刻な不和が報じられている兄のウィリアム皇太子とは対面していない。

滞在時間の短さは「問題ではない」

 王室批判でもおなじみになったヘンリー王子の突然で短い帰国。英国民の間には「父親の一大事に駆け付けるのは当たり前」という一般的な意見も多いが、王室専門家たちの見解は分かれている。

 王室評論家のリチャード・フィッツウィリアムズ氏は英紙「ザ・サン」に対し、今回の訪問は「(病状への)懸念と(闘病への)支持を表明するものであり、今後数週間あるいは数か月のうちに和解実現の可能性があることは疑いの余地がない」と肯定した。滞在時間の短さも「それは重要ではない。重要なのはハリーが来て、チャールズがハリーに(自身の)診断結果を伝えたことだ。彼が望んでいたのは支持を表明することであり、今回は全く新しい状況だ」と述べている。

 滞在期間の短さに理由があると推測したのは、ロイヤル・ホロウェイ大学経営学部のポーリン・マクラーン教授だ。マクラーン教授は英紙「デイリー・エクスプレス」に対し「もし長期の訪問になった場合、人々はチャールズ国王の病状の深刻さを心配し始めるだろう」と語った。

 英紙「タイムズ」によれば、まずチャールズ国王が自身の病状についてヘンリー王子に電話をかけていた。宮殿関係者は同紙に対し、チャールズ国王は前日の手術で疲れていたため、会談は約30分間になったと明かした。がんの公表がなければチャールズ国王が何らかの症状を抱えていたことは全く分からなかっただろうとも付け加えたという。

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