“元新人王”は輝きを取り戻せるのか? 復活が期待される「セ・リーグ6選手」

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支配下復帰を目指す阪神の「本格派左腕」

 2月1日にスタートするプロ野球の春季キャンプ。昨年のドラフトで指名されたルーキー、フリー・エージェント(FA)やトレードで移籍した“新戦力”に注目が集まる一方で、チームにとって意外なプラスをもたらすのが、実績はありながらも低迷している選手たちだ。昨年、日本一に輝いた阪神では、前年はわずか19安打に終わっていた木浪聖也がショートのレギュラーを奪取。キャリアハイの成績を残して、ベストナインとゴールデングラブ賞に輝いた。そんな復活に期待したい選手を各球団1名ずつピックアップしてみた。今回はセ・リーグの6球団についてだ。【西尾典文/野球ライター】

 まずは、連覇を狙う阪神から。復活を待望する声が多いのが、高橋遥人だ。2017年のドラフト2位で入団すると、1年目から先発で2勝。2年目には3勝9敗と負け越しながらも、109回2/3を投げて、125奪三振とイニングを大きく上回る奪三振を記録した。翌年は5勝。4年目の2021年には2試合連続の完封勝利を挙げている。これは、阪神の左腕では29年ぶりの快挙だった。

 しかし、2022年4月に左肘の故障でトミー・ジョン手術を受けて長期離脱。昨年6月にも左尺骨と左肩の手術を受けるなど2年続けて実戦登板なしに終わり、今年からは育成契約となった。

 ただ、怪我で離脱する前の2021年は7試合と少ない登板ながらも、4勝2敗、防御率1.65と圧倒的な数字を残している。状態さえ万全ならば、先発ローテーションに加わるだけの力は十分にある。

 阪神の左の先発投手は、伊藤将司と大竹耕太郎といった、どちらかといえば「技巧派」が目立ち、「本格派」である高橋は、投手陣の中で貴重な存在だ。このオフは順調な調整を続けているとも報道されている。春先から、首脳陣にアピールして、早期の支配下登録を目指したい。

リーグ三連覇に貢献した「31歳」ベテラン投手

 昨年2位に躍進した広島からは、黄金時代を支えた岡田明丈を挙げたい。2015年のドラフト1位で大阪商業大から広島に入団。2年目の2017年に12勝、翌年も8勝をマークし、リーグ三連覇に貢献している。

 だが、2019年に制球を乱して、わずか3試合の登板に終わった。さらに、2021年には右肘を痛めてトミー・ジョン手術を受けるなど、過去4年間は一軍のマウンドから遠ざかっている。昨年は二軍でも19試合に登板したが、防御率は6.75と結果を残せずオフに自由契約を通達されてしまった。一時は引退を考えたというが、球団からの育成契約の打診を受諾して残留となった。

 今年で31歳と年齢的にベテランに差し掛かっており、昨年の投球を見る限りでは、前出の高橋に比べて、復活への道のりは険しいように見えた。ただ、復活を願うファンの声は依然として根強い。昨年、かつてのクローザーで1学年上の中崎翔太が中継ぎで復活したことから、岡田もそれに続きたいところだ。

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