日テレ「セクシー田中さん」だけではない…意外と多いテレビ局と原作者のトラブル、「海猿」は未だ二次使用できず、「のだめ」で揉めたTBS

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「のだめ」と「花男」

「そもそも、あまりにも原作と内容が違うと言われていたドラマでしたが……。その後、和解したようですが、ドラマの再放送やDVD化、レンタルなど、二次利用は一切できていない状況です」

 まだある。

「06年10月期に放送された上野樹里の主演でヒットした『のだめカンタービレ』(フジ)は、当初TBSで放送されるはずでした。もともと原作漫画の連載時から『ドラマ化すれば絶対に当たる』と業界内では評判を呼んでいた作品で、各局の担当者が出版社詣でを繰り返し、TBSがドラマ化権を獲得。05年10月スタートで、岡田准一と上野樹里による制作発表も行われました。ところが、岡田が所属するジャニーズ事務所(当時)のゴリ押しで主題歌はV6に、主演も“のだめ”を演じる上野ではなく、“千秋”を演じる岡田に大幅改編されたそうで、原作者の二ノ宮知子氏が難色を示し、揉めに揉めた末、ドラマ化の話はなかったことに」

 TBSは大慌て、即興で埋め合わせのドラマを作った。

「03年まで放送された昼ドラ『キッズ・ウォー』(TBS/中部日本放送制作)に出演した名子役・井上真央の所属事務所が神尾葉子氏の漫画『花より男子』の原作権利を持っているのを聞きつけ、井上の主演で急きょ製作が決定。相手役にはまだ若手だった嵐の松本潤を起用。わずか2カ月という突貫工事でしたが、平均視聴率19・8%と2000年代を代表する大ヒットドラマになりました」

 一方、「のだめ」のほうは、フジが原作者を口説いてドラマ化。主題曲にはベートーヴェンの「交響曲第7番」とジョージ・ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」が使われ、上野の相手役には玉木宏を起用、平均視聴率は18・9%、前後編で映画化もされるなど大ヒットした。

「原作者とドラマの制作スタッフが揉めるのは、基本的に両者とも作品をより面白くしたいと思うからこそなんですが……」

デイリー新潮編集部

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