日テレ「セクシー田中さん」だけではない…意外と多いテレビ局と原作者のトラブル、「海猿」は未だ二次使用できず、「のだめ」で揉めたTBS

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蒼井優の連ドラ初主演作も

 結局、「霊媒探偵・城塚翡翠」は全5話で終了し、翌週からは続編の「invert 城塚翡翠 倒叙集」が全5話で放送されるという異例のドラマとなった。

「平均視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯:以下同)は、前作が5・3%、続編が5・0%と振るいませんでした。制作陣は疲弊し、主演の清原は長台詞が覚えきれずに相当苦労していたと聞きます。原作の相沢氏は『medium 霊媒探偵城塚翡翠』で数々の賞を受賞した小説家ですが、脚本は小説とは違いますからね」

 ちなみに「セクシー田中さん」の脚本は、玉木宏が主演の「鹿男あをによし」(フジテレビ)や菅田将暉の主演で映画化もされた「ミステリと言う勿れ」(同前)の大ヒットで知られる相沢友子氏だった。

「08年4月期に放送された蒼井優の連ドラ初主演作『おせん』(日テレ)も、原作を手掛けた漫画家のきくち正太氏と揉めました。原作の漫画は雑誌『イブニング』に連載中でしたが、ドラマの開始直後、予告なしに中断。原作とのあまりの違いにショックを受けてのことだったそうで、我が子のような作品が『幸せになれるものと思っていたら、それが実は身売りだった』とまで語りました。きくち氏が何話を見てショックを受けたのかわかりませんが、初回の脚本を担当したのは、NHKの朝ドラ『ふたりっ子』や『オードリー』、今年の大河『光る君へ』などで知られる大御所の大石静さんでした」

 主演した蒼井のその後の活躍は言うまでもないだろう。

再放送もない「海猿」

「テレビ業界で最も騒がれた原作者とのトラブルは、連ドラだけでなく4度も映画化された佐藤秀峰氏の漫画『海猿』です。最初にドラマ化したのはNHKで、国分太一の主演で02年に放送された『海猿~うみざる』(BS hi)でした。その後、04年にフジが伊藤英明の主演で映画『海猿 ウミザル』を公開し、翌年に放送された連ドラ『海猿 UMIZARU EVOLUTION』は平均視聴率13・2%を記録。映画2作目『LIMIT OF LOVE 海猿』は興収71億円の大ヒット、3作目『THE LAST MESSAGE 海猿』は80億円を突破し、12年公開の4作目『BRAVE HEARTS 海猿』も73億円とフジのドル箱コンテンツに。ところが、4作目が公開されてから3カ月後の12年10月、原作の佐藤秀峰氏が自身のTwitter(現・X)でフジとの絶縁を宣言したのです」

《フジテレビさんは信頼に値しない企業であると判断したため、今後は一切新規の取引はしないことにしました。なので、例えば映画『海猿』の続編などは絶対にありません》(12年10月26日)

「フジの報道局による2度にわたるアポなし突撃取材、事業局が契約書なしに勝手に関連書籍を販売したため、とうとう堪忍袋の緒が切れたようです」

 作品に手を加えるとかいう次元の話ではなかった。

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