「電話をかけたのは実は岸田首相から」情報戦に勝利した麻生副総理の皮算用

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麻生・茂木両氏に相談せず

 東京地検特捜部による政治資金規正法違反容疑での捜査を受け、自浄を図るべく政治刷新本部を立ち上げ、その議論が始まったかと思うと「派閥解散」を訴え、永田町を驚かせた岸田文雄首相。ただ、それが国民の心に響いているかというとそうでもないようである。

 もっと支持を得られるはずだった「派閥解散」が今ひとつウケない背景には麻生太郎自民党副総裁が仕掛けた情報戦の存在も大きいとのことだ。

 岸田首相が自ら会長として率いていた宏池会(岸田派)の解散に言及したのは、1月18日のことだった。

「政権運営への関与度の高い麻生副総裁や茂木敏充幹事長に事前の相談がなかったため、特に2人の反発が大きいとされました」

 と、政治部デスク。

「2人に前もって派閥解消の意向を伝えると反対されて決断がブレるので、そうしなかったという見立てがありましたね。さらに、派閥解消を表明した後に麻生氏から電話を受けて釈明に追われたとの報道がありましたが、実際はそうではないと聞きました」(同)

「首相がタジタジになっていた」の真贋

 各社おしなべて、岸田首相の発言に憤った麻生副総裁が電話し、「ウチは誰も立件されていないのだから派閥解散の理屈が立たない」との意思を表明した旨を報じていた。

「そうですね。ただ、実際は岸田首相から麻生副総裁に電話して説明したとのことでした。その中身自体、首相がタジタジになっていたということはなく淡々としていたということです。麻生氏は立場を重んじる人ではありますが、“用事がある者の方からアプローチしてくるべきだ”といった哲学があり、それを踏まえたうえで首相が電話したということでしょう」(同)

 それなのに、実態に即さない内容が各社から報じられたのはどういうことなのか。

「麻生氏側から、“自分は怒っている。首相は平身低頭していた”といった説明が、記者たちにそれなりに具体的になされたからでしょう。情報番組まで含め、そういうストーリーで解説されていました。“麻生氏の強硬姿勢に屈した首相”というイメージの刷り込みに成功しているように感じました」(同)

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