メジャー移籍を急ぎ過ぎて契約未更改のロッテ・佐々木朗希 関係者からは「彼の背後にいる人たちの思惑がよく分からない」

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佐々木を支える人たち

 一部情報によれば、そのIT関係者とは複数の会社を経営するやり手で、佐々木の母親ら親族が立ち上げたマネジメント会社のサポートもしている。また、オフのテレビ出演などは大手広告代理店がその窓口となっており、このIT関係者も関わっているというが、球界関係者が懸念している点がないわけではない。

 まず、佐々木のプロ入りの際、「将来のメジャー移籍を約束するサイドレター(覚書)をつけた」とも伝えられているが、ルール上、移籍を前提とした入団交渉・契約は認められていない。

「千葉ロッテはパ・リーグでいちばん古参の球団ですよ。『将来の夢は応援したい』とは言ったかもしれませんが、サイドレターをつけるなんてルール違反の交渉は考えにくい」(前出・在京球団スタッフ)

 それでもサイドレターの存在を疑う関係者は多い。そうした情報が、佐々木を背後で支える人から出たとされるのも気掛かりだ。その真偽はともかく、ルール違反の情報が出た時点で、他球団から「千葉ロッテを陥れる言動がされている」として、佐々木の周囲を怪しむ声も出始めた。

 実際にクライアントの米球界移籍交渉に関わった、元スポーツマネジメント会社のスタッフがこう言う。

「日本のマネジメント会社や起業家が思っている以上に、米球界との交渉は複雑です。NPBの選手が渡米する際に米国の代理人を雇ったり、実績のある米・マネジメント会社と契約し、相談したりするのはそのためです。ウチが扱った例としては、交渉相手は米独立リーグでしたが、条件面や待遇など契約の細かい内容がうまく詰められず、結局、その方面の専門家を臨時で雇うことになりました」

 佐々木をバックアップしている人たちは、利益を求めるのではなく、“善意”で彼をサポートしているということだろうか。

 代理人の報酬は契約金額の5~10%。佐々木は「25歳以下、海外プロリーグ在籍6年未満」のルール適用者となるため、年間575万ドル以下(約6億5000万円)でしか契約できない。米国の本職の代理人はキャンプ中の練習内容、投球練習で放る球数、起用法だけではなく、試合の行われた各州に納める税金の管理や、生活面のサポートまで話を詰めなければならない。5%の対価に合う仕事量ではなさそうだ。

 もっとも、佐々木はまだシーズンを通して先発ローテーションを守ったことが一度もない。多くのファンはロッテの優勝、日本一に貢献してからの挑戦を期待しており、今回の突然のポスティングシステムの申請要求に関しては首を傾げる関係者のほうが多いという。

「好感度の高い佐々木だから、あまり批判されることはありませんでした。ですが、詳しく報じられる度に、ちょっとおかしいんじゃないのという声が上がる可能性は十分にあります」(前出・在京球団スタッフ)

 佐々木はピュアな心の持ち主なので、周囲のアドバイスを全て受け入れてしまったのだろう。渡米における交渉の見返りは期待できない。なにより、“善意”でサポートしてきた人たちなら、これ以上の更改遅延がマイナスにしかならないことは分かっているはずだが。

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