野菜のあく抜きは不要? 納豆は加熱すると酵素の効果が消える? 食べ方で変わる栄養効果を専門家が解説

ドクター新潮 ライフ

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 世には食材が溢れ、「何を」食べればいいのか日々悩む。もちろん、健康のためには栄養豊富なものを選ぶべきである。しかし人生100年時代を生き抜くには、それだけでは足りない。食材の栄養を無駄にしないためには……。「いかに」食べるか、それが問題なのだ。【濱 裕宣/東京慈恵会医科大学附属病院栄養部部長】

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 家族で鍋を囲み、豚しゃぶをいただく。

 寒さが身に染みる冬だからこそ、豚肉を食べるのであればショウガ焼きよりも、より体が温まりそうな鍋を選びたくなる。もちろん、好みの問題ですから、どちらが「正しい」ということはありません。しかし、豚肉の栄養面から考えた場合、お勧めには「答え」があります。

 豚しゃぶか、豚肉のショウガ焼きか、果たして――。

「食べ方」で栄養が失われてしまう

〈こんな問いを発するのは、東京慈恵会医科大学附属病院の栄養部部長で管理栄養士の濱裕宣(ひろのぶ)氏だ。

 単なる「寿命」ではなく「健康寿命」を意識せざるを得ない現代は、健康の基本である食への気配りが欠かせない。

 そこで多くの人は、“万能薬”のようなスーパーフードを求めて詳細な食情報を探し求める。肉を食べるならどんな肉を選ぶべきなのか、老化防止にはどの魚がいいのか、栄養価が高い野菜は何なのか……。

 無論、「何を食べるか」も重要である。一方で、栄養が豊富な食材であっても、「食べ方」によっては、せっかくの栄養が失われてしまうことがある。

「食と栄養」のプロである濱氏が、「What」ではなく「How」の食事術を指南する。〉

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