6代目山口組「餅つき会」がプロパンガスではなく電気蒸し器使用に変わった裏事情

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前年は高圧ガス保安法違反容疑

 年末恒例の6代目山口組の餅つき会が2023年12月に開かれた。司忍組長はメディアの前で健在ぶりをアピールしつつも、2022年末の同会で責任者が当局に逮捕された案件を踏まえて慎重な振る舞いをしていたようだ。他方、音無しの構えを見せていた神戸山口組にも動きが出てきたという。

 まずは6代目山口組の餅つき会について振り返っておこう。

 餅つき会は昨年12月28日、6代目の2次団体・10代目瀬戸一家(本部:愛知県瀬戸市)で行われた。司忍組長・高山清司若頭ら幹部一同が出席した。

 この餅つき会、2022年にはプロパンガスの扱いについて不正があったとして、6代目山口組の事務局長で2代目若林組の篠原重則組長らが逮捕されるという一件があった。プロパンガスを技術基準に沿わない方法で運搬したなどとする、高圧ガス保安法違反容疑という耳慣れない事案だった。

浮かない顔をしていた幹部

「餅つき会には捜査員が40~50名単位でやってきます。警備的な側面もあるものの、どんな微罪でも追及できる事案を探すという狙いもあるのかもしれません。さすがにプロパンガスの一件は罰金10万円で済んだようですが、それを踏まえた形で2023年末の餅つき会では電気蒸し器を使用し、8台の臼でついたと聞きました。司組長自ら餅をつき、取材陣にも声をかけるほどご機嫌でした」

 と、担当記者。餅を作る手法にまで気を遣わなければならないというのは、昨今のヤクザ事情を象徴しているかのようだ。

 そんな中、浮かない顔をしていた幹部もいたという。竹垣悟氏(NPO法人主宰、元山口組系暴力団組長)によると、

「11代目平井一家の薄葉政嘉総裁のようですね。薄葉総裁は6代目の若頭補佐を務めています。2023年は、地元・愛知県豊橋市の露天商からみかじめ料2000万円相当を返還せよとの訴訟を提起されたり、その前には女性とディズニーランドに隣接するホテルに身分を隠して宿泊したとして逮捕されたりと、良くないニュースが続いたせいかもしれません」

 執行部に属する幹部であっても、悩みのタネはさまざまということだろうか。

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