年明け早々マキロイが驚きの発言 リブゴルフへ移籍した選手を「とてもラッキー」と評する思惑

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 北アイルランド出身のロリー・マキロイはメジャー4勝を含む通算24勝を誇るPGAツアーのスター選手だが、彼の言動には時折、理解し難い面が垣間見えたことがあった。これまで批判してきたリブゴルフに関しても、彼から驚きの発言が飛び出した。【舩越園子/ゴルフジャーナリスト】

「家族と過ごしたい」から不出場

 たとえば、PGAツアーの人気選手が次々にリブゴルフへ移籍してしまった2023年には、マキロイが発案者の筆頭となった賞金総額2000万ドルの「格上げ大会(当時)」が年間8試合、開催された。これはPGAツアーに留まっている上位選手たちが一堂に会する大会を増やすことが目的だった。

 だが、2023年1月に開催された格上げ大会初戦のセントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズ(当時)に、肝心のマキロイの姿はなかった。彼は「1年の始まりのこの時期は、僕は自宅で家族と過ごしたい」と出場しなかった理由を説明した。

 言い出しっぺのマキロイが格上げ大会の初戦にいきなり欠場したことは、「一体、マキロイは何を考えているのか?」とPGAツアーを取り巻く周辺の関係者を憤慨させたり首を傾げさせたりで大騒ぎになった。そして今年、ハワイで開催されているザ・セントリーにマキロイの姿はやはりない。この大会は2024年のPGAツアーの初戦であり、今年から「格上げ大会」は「シグネチャー・イベント」と名称が変更されている。

 彼は昨年も今年も「この時期はステイ・ホーム」を貫いており、そこだけ見れば「マキロイは、ぶれていない」と言えるのかもしれない。

 だが、1月3日、サッカー好きのマキロイが出演したサッカー関連のポッドキャストでの饒舌な言葉の数々は、これまで彼が見せてきた姿勢や言動とは大きく異なっていた。またしても「マキロイは何を考え、何をしようとしているのか?」と米ゴルフ関係者は驚き交じりに首を傾げている。

ルマイヤン会長と直接話した

 まず驚かされたのは、リブゴルフを経済的に支援しているサウジアラビアの政府系ファンド「PIF(パブリック・インベストメント・ファンド)」を率いるヤセル・ルマイヤン会長に対するマキロイの言葉のトーンと内容だった。

 これまでマキロイは、PGAツアーに忠誠を誓う筆頭選手として選手会や理事会を率いてきた。その際、リブゴルフやPIFを激しく批判し、ルマイヤン会長に対してもポジティブな事柄を口にしたことはおそらく一度もなかった。

 だが、このポッドキャストでマキロイは、ルマイヤン会長と「2022年の末に初めて直接会って、いろんな話をした」ことを初めて明かした。

 そして、ルマイヤン会長のことを「ゴルフをとても愛している」「とてもナイスガイ」と評価した。さらに、チームをフランチャイズ化しようとしているリブゴルフの方針や施策を聞かされ、「なるほどと頷かされるものがあった」と振り返った。

 マキロイはPGAツアーの理事として精力的に活動していた23年の序盤、「PGAツアー選手の誰かが、ルマイヤン会長と会ってきちんと話をするべきだと、僕はみんなに呼びかけていた。そうこうしているうちに6月になり、ジェイ・モナハン会長とルマイヤン会長があの統合合意をいきなり発表してしまって、僕はとてもショックを受けた」と当時の経緯を明かしていた。

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