JAL機炎上事故で浮上した「ペット」論争 愛犬・愛猫との「同伴搭乗」が問題解決にならない理由

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脱出時は「何も持たない」

 ただし重要なのは、仮にペットと一緒に客室に同乗できても「悲劇」を防げるとは限らない点だ。

 前出のスターフライヤーではサービスの利用前、事故や緊急時の脱出に際して「ペットは機内に置いていく」ことに同意する書類にサインする必要がある。「事故を考慮・想定した上でのサービスではないため」(同社経営戦略部)というのが理由だが、仮に同乗できたとしても、今回のような事故に遭遇すれば、ペットを機内に残したまま脱出せざるを得なくなる公算が大なのだ。

 そして、これは何もスターフライヤーに限った話ではないという。

「脱出時の安全規定は世界共通のもので、同規定では脱出の際に『何も持たない』ことが明示されています」(前出・青木氏)

 実際、海外でも緊急脱出時にペットを連れて機外に出ることを認めていない航空会社も少なくないという。

 ペットと同伴搭乗できれば「問題解決」とはならないとしても、悲劇を繰り返さない方策を考える必要はあるだろう。航空会社だけでなく、所管官庁や立法府も含めた包括的な議論の開始を望む声が高まっている。

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